7月27日からパリ五輪が開幕します。テニス競技の日本代表は、シングルスで大坂なおみ選手(世界ランク102位)、内島萌夏選手(同66位)、錦織圭選手(同435位)、ダニエル太郎選手(同90位)、女子ダブルスに柴原瑛菜選手(ダブルス24位)/青山修子選手(同26位)組の計6名です。
大坂選手と錦織選手は、プロテクトランキング(負傷離脱前の順位でエントリーできる救済措置)での出場となりました。実力と実績のある2人ですから、彼らが出場する意志があったのは、日本テニス界としては明るい要素でしょう。
大坂選手は今年の全仏オープンの1回戦で、世界1位のイガ・シフィオンテク(ポーランド)と大接戦を演じ、クレーコートでも十分に戦えることを証明しました。まず、フットワークが良くなりました。以前はほとんど使っていなかったスライディングができるようになり、ドロップショットを打たれた時の足の運び方も上達しています。
立つ位置もハードコートとは違う動きが出てきていましたし、ただ単にエースを狙いにいくのではなく、ラリーをしっかりとしてオープンコートを作って決めに行く、クレーらしい組み立てもできるようになりました。
あとは勝負がかかったり、トッププレーヤーとの対戦の時の試合勘。どんな時でも誰が相手でも高いレベルのプレーが出せるのか、欲が出てきても同じクオリティーのテニスができるのかという点が、次のステップだと思います。
22歳の内島選手は、短期間でランキングを上げて出場権を獲得できたことが素晴らしいですね。2022年にランキングを104位にまで上げた時は、100位の壁を突破しきれずに順位を落としていたので、今回は大きな壁を越えたと言えるでしょう。
4月から5月の短期間にITF(国際テニス連盟)ツアーの10万ドル大会を3つ、7.5万ドル大会1つの計4大会で優勝してランキングを上げました。このレベルの大会で連続優勝するのは簡単ではありません。しかも、クレーが苦手な日本人選手が多いですが、クレーに対して「得意」という意識を持てている中で優勝した4大会の内、3大会がクレーの大会でした。さらに大きな自信になっていることでしょう。
内島選手の場合はストロークでパワー負けしませんし、ボールを打つ能力と扱い方がうまい選手です。攻撃力と守備力のバランスが取れていて、フィジカルも安定しています。以前は単調になりがちでしたが、しつこさが出てきたことが今の結果につながっています。この状況で初めての五輪を迎えられるのは、本人も楽しみな気持ちが強いことでしょう。
大坂選手はメダルを視野に入れてくると思いますし、シードが付かないのでドロー(組合せ)運次第ですが、うまくかみ合えばメダルの可能性は十分にあります。
内島選手は今が伸び盛りですから、何が起きてもおかしくありません。台風の目になってほしいところです。
※ランキングは7月22日付け
文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン
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大坂選手は今年の全仏オープンの1回戦で、世界1位のイガ・シフィオンテク(ポーランド)と大接戦を演じ、クレーコートでも十分に戦えることを証明しました。まず、フットワークが良くなりました。以前はほとんど使っていなかったスライディングができるようになり、ドロップショットを打たれた時の足の運び方も上達しています。
立つ位置もハードコートとは違う動きが出てきていましたし、ただ単にエースを狙いにいくのではなく、ラリーをしっかりとしてオープンコートを作って決めに行く、クレーらしい組み立てもできるようになりました。
あとは勝負がかかったり、トッププレーヤーとの対戦の時の試合勘。どんな時でも誰が相手でも高いレベルのプレーが出せるのか、欲が出てきても同じクオリティーのテニスができるのかという点が、次のステップだと思います。
22歳の内島選手は、短期間でランキングを上げて出場権を獲得できたことが素晴らしいですね。2022年にランキングを104位にまで上げた時は、100位の壁を突破しきれずに順位を落としていたので、今回は大きな壁を越えたと言えるでしょう。
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内島選手の場合はストロークでパワー負けしませんし、ボールを打つ能力と扱い方がうまい選手です。攻撃力と守備力のバランスが取れていて、フィジカルも安定しています。以前は単調になりがちでしたが、しつこさが出てきたことが今の結果につながっています。この状況で初めての五輪を迎えられるのは、本人も楽しみな気持ちが強いことでしょう。
大坂選手はメダルを視野に入れてくると思いますし、シードが付かないのでドロー(組合せ)運次第ですが、うまくかみ合えばメダルの可能性は十分にあります。
内島選手は今が伸び盛りですから、何が起きてもおかしくありません。台風の目になってほしいところです。
※ランキングは7月22日付け
文●伊達公子
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