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吉冨愛子が伝授!「一撃必殺の回り込み逆クロス」のポイントとは?【実践スピン講座5】<SMASH>

スマッシュ編集部

2024.08.03

クロスステップで弧を描くように動き(1~3コマ目)、前に踏み込む(4)。ボールの内側に面を入れてワイパースイングすると(6~7)、逆クロスに運びながら外に切れる回転も加えられる。写真:THE DIGEST写真部

クロスステップで弧を描くように動き(1~3コマ目)、前に踏み込む(4)。ボールの内側に面を入れてワイパースイングすると(6~7)、逆クロスに運びながら外に切れる回転も加えられる。写真:THE DIGEST写真部

 テニスのラリーにおいて、トップスピンは高く跳ねさせて相手を押し込んだり、厚く叩いてエースを取ったり、様々な用途に使えるショットだ。このシリーズではフォアハンドを想定し、実戦で特に役立つ5種類のトップスピンについて、日本女子有数のトップスピナーとして鳴らした吉冨愛子プロに打ち方を伝授してもらう。最終回となる第5回は「一撃必殺の回り込み逆クロス」のポイントだ。

  *  *  *

 数あるトップスピンショットの中でも、バック側に来たボールをフォアに回り込んで逆クロスに叩くのは、一撃必殺の武器になります。ラリー中に緩く浅いボールが来て、高い打点で打てそうなら、積極的にフォアに回り込みましょう。

 まず移動の仕方ですが、ベースラインと平行に真っすぐ動くと、ボールの左側にしっかりと回り込めません。身体とボールの間に十分な距離を取れず、打つ時に窮屈になりがちで、逆クロスには運びづらくなります。

 ポイントは、丸みを帯びたルートを取ること。少し弧を描くように動いてボールの後ろから入ると、腕を振るスペースを確保しやすくなります。逆クロスにスイングしやすくなる上、体重移動のパワーも伝えられて、決定率が上がるでしょう。
 
 また、時間がある場合はサイドステップで移動してもいいですが、ない時はクロスステップにすると速く動けます。右足を左足の後ろに交差させるステップです。これだと、動きながら身体のターンも同時に行なえるので、時間のロスがなく一石二鳥です。

 スイングはボールの若干左側を打つ意識が必要です。ラケットをしならせるイメージで少し遅らせ、ボールの左側に入れながらヘッドを起こしていきます。そうやってワイパーのようにスイングすると、ボールにトップスピンだけでなく横方向のシュート回転も加わり、外に切れていく弾道になります。

【解説者プロフィール】吉冨愛子/よしとみあいこ
1993年、愛知県生まれ。インターハイ、インカレを制し、早稲田大学卒業後にプロ転向。女子選手離れした強烈なトップスピンとコートを広く使った展開力を武器に、全日本選手権ベスト8など活躍。ダブルスも得意にし、ユニバーシアード日本代表として銅メダル獲得、ITFツアー優勝8回などの実績を残す。

構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2022年8月号より再編集

【連続写真】吉冨愛子プロによる「一撃必殺の回り込み逆クロス」、30コマのお手本分解写真

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