女子テニスツアー「ムバダラ・シティDCオープン」(アメリカ・ワシントンDC/ハードコート/WTA500)は、大会最終日の現地4日にシングルス決勝を実施。度重なるケガに苦しんできた元世界ランク2位のパウラ・バドサ(スペイン/大会時62位)が、ノーシードのマリー・ボウズコワ(チェコ/同43位)を6-1、4-6、6-4で下し、価値あるツアー4勝目を飾った。
2024年シーズン開幕戦のアデレード国際(WTA500/ハード)で、背中のケガから約半年ぶりにカムバックを果たした26歳のバドサ。ところが復帰後は以前のような強さを取り戻せない日々が続いていた。
さらには幾度となく試合中のケガにも見舞われ、途中棄権は今季だけですでに3度。以前には「医師からキャリアを続けるのは難しいと言われた」と、非常に厳しい状況に追い込まれていたことを明かしていた。
そんな中でも諦めずに大会に出続けたバドサは5月頃から復調。「イタリア国際」(WTA1000/クレー)と「ウインブルドン」(四大大会/芝)で16強入り、「バート・ホンブルク・オープン」(WTA500/芝)では8強入りを果たし、一時140位まで落としていたランキングも62位にまで回復させた。
「パリ五輪」(クレー)をスキップして迎えた今大会も、準々決勝で21年全米オープン女王のエマ・ラドゥカヌ(イギリス/現69位)を逆転で下すなど快進撃を見せて決勝に進んでいた。
過去2勝0敗と分の良いボウズコワとの顔合わせとなった決勝は、立ち上がりの第1、2ゲームで両者ともにブレークに成功。そのまま接戦が繰り広げられるかと思われたが、第3ゲーム以降はバドサがゲームをコントロールし、計3度のブレークに成功して幸先よく第1セットを先取した。
悪天候による一時中断を挟んだ第2セットは、第1セットとは打って変わって互いにキープが続く緊迫の展開に。再三のブレークチャンスを生かせなかったバドサは、終盤の第10ゲームで自身のダブルフォールトも絡んで失点を重ね、痛恨のサービスダウンを喫して1セットオールに持ち込まれる。
それでも勝負のファイナルセットでは、ファーストサービスが入った時には87%の高い確率でポイントを奪い、2度のブレークを果たして2時間24分の接戦をものにした。
バドサのツアー優勝は22年1月の「シドニー・テニス・クラシック」(WTA500/ハード)以来実に約2年半ぶり。数々の困難を乗り越えた26歳は、試合後のインタビューで苦しかった時期を振り返りつつ、次のように語った。
「1年前、私はソファーの上にいた。今はその時とは大きく違うし、再びアスリートに戻ることができている。大会前から調子は良かったし、自信もあった。何か自分にとって大きなタイトルを勝ち獲る必要があると思っていた。私の性格上、いつも決勝や準決勝では満足できないからタイトルを獲りたかった」
この結果大会後に更新された世界ランキングでは40位に浮上したバドサ。今後のさらなる活躍を期待したい。
文●中村光佑
【動画】バドサVSボウズコワの「ムバダラ・シティDCオープン」決勝ハイライト
【PHOTO】全米オープン2022でバドサはじめ、熱戦を繰り広げる女子選手たちの厳選写真!
【関連記事】「お互いの愛情の強さを感じた」別れたばかりのチチパス&バドサが復縁! 全仏オープン混合ダブルスにエントリー<SMASH>
2024年シーズン開幕戦のアデレード国際(WTA500/ハード)で、背中のケガから約半年ぶりにカムバックを果たした26歳のバドサ。ところが復帰後は以前のような強さを取り戻せない日々が続いていた。
さらには幾度となく試合中のケガにも見舞われ、途中棄権は今季だけですでに3度。以前には「医師からキャリアを続けるのは難しいと言われた」と、非常に厳しい状況に追い込まれていたことを明かしていた。
そんな中でも諦めずに大会に出続けたバドサは5月頃から復調。「イタリア国際」(WTA1000/クレー)と「ウインブルドン」(四大大会/芝)で16強入り、「バート・ホンブルク・オープン」(WTA500/芝)では8強入りを果たし、一時140位まで落としていたランキングも62位にまで回復させた。
「パリ五輪」(クレー)をスキップして迎えた今大会も、準々決勝で21年全米オープン女王のエマ・ラドゥカヌ(イギリス/現69位)を逆転で下すなど快進撃を見せて決勝に進んでいた。
過去2勝0敗と分の良いボウズコワとの顔合わせとなった決勝は、立ち上がりの第1、2ゲームで両者ともにブレークに成功。そのまま接戦が繰り広げられるかと思われたが、第3ゲーム以降はバドサがゲームをコントロールし、計3度のブレークに成功して幸先よく第1セットを先取した。
悪天候による一時中断を挟んだ第2セットは、第1セットとは打って変わって互いにキープが続く緊迫の展開に。再三のブレークチャンスを生かせなかったバドサは、終盤の第10ゲームで自身のダブルフォールトも絡んで失点を重ね、痛恨のサービスダウンを喫して1セットオールに持ち込まれる。
それでも勝負のファイナルセットでは、ファーストサービスが入った時には87%の高い確率でポイントを奪い、2度のブレークを果たして2時間24分の接戦をものにした。
バドサのツアー優勝は22年1月の「シドニー・テニス・クラシック」(WTA500/ハード)以来実に約2年半ぶり。数々の困難を乗り越えた26歳は、試合後のインタビューで苦しかった時期を振り返りつつ、次のように語った。
「1年前、私はソファーの上にいた。今はその時とは大きく違うし、再びアスリートに戻ることができている。大会前から調子は良かったし、自信もあった。何か自分にとって大きなタイトルを勝ち獲る必要があると思っていた。私の性格上、いつも決勝や準決勝では満足できないからタイトルを獲りたかった」
この結果大会後に更新された世界ランキングでは40位に浮上したバドサ。今後のさらなる活躍を期待したい。
文●中村光佑
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