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海外テニス

ケガを乗り越えた元世界1位のマリーが地元大会で初戦突破!「テニスを本当に愛しているんだ」と感涙<SMASH>

中村光佑

2021.06.16

約3年ぶりとなる芝コートでの勝利を上げたマリー。(C)Getty Images

約3年ぶりとなる芝コートでの勝利を上げたマリー。(C)Getty Images

 現地時間6月15日、男子テニスツアー「シンチ選手権」(6月14日~20日/イギリス:ロンドン/グラスコート/ATP500)はシングルス1回戦が開催。ワイルドカード(主催者推薦)で出場している世界ランク124位のアンディ・マリー(イギリス)が同46位のブノワ・ペール(フランス)を6-3,6-2のストレートで下し、2回戦へ駒を進めた。

 臀部のケガから復活を目指す元世界1位のマリーは、今年3月に原因不明の鼠径部(そけいぶ=足の付け根)の痛みに襲われ、ワイルドカードで出場を予定していたマイアミ・オープンを欠場。それ以降は主要大会にも出場していなかった。

 母国開催となった今大会から再びツアーへ帰ってきたマリーは、ペールを相手に優位に進め、第1セットを幸先よく先取。第2セットでも第5ゲームで先にブレークを奪い、そのままリードを保って復帰戦を勝利で飾った。

 実に約3年ぶりとなったグラス(芝)コートの大会で初戦を突破したマリーは、試合後のオンコートインタビューで「実はとても緊張していたんだ」と振り返りながらも、「芝でプレーをするのは3年ぶりで、あまり練習もできていなかったからどうプレーすればいいかあまりわからなかったけど、試合でうまくいったことに満足している。実際にプレーしてみると、とてもいい感じだった」と感慨に浸った。
 
 続けてインタビュアーから「またコートで戦えることについてはどんな気分か?」と問われると、マリーは目に涙を浮かべながら「テニスを本当に愛しているんだ」と一言。会場の観客からは大きな拍手が送られた。

 最後には「僕は何度も言っているように、たくさんの努力をし、たくさんの良いことをしてきた。様々な挫折を乗り越えて、自分が貫いている姿勢を誇りに思っている」とコメントしたマリー。ケガからの完全復活だけではなく、またいつの日か世界のトップに返り咲くことも目標に掲げているという。

 なお、勝利したマリーは、2回戦で第1シードのマッテオ・ベレッティーニ(イタリア/9位)と対戦する。長らく実戦から遠ざかっていただけに、まだまだ身体のコンディションは気になるところだが、完全復活へ向け、一つでも多く勝利を積み重ねてもらいたい。

文●中村光佑

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