男子テニスツアー「シンシナティ・オープン」(8月12日~19日/アメリカ・シンシナティ/ハードコート/ATP1000)は大会最終日の現地19日にシングルス決勝を実施。第1シードで世界ランク1位のヤニック・シナー(イタリア)が同27位のフランシス・ティアフォー(アメリカ)を7-6(4)、6-2で下し、同大会初優勝を果たすとともに今季ツアー5勝目を飾った。
今年1月の全豪オープンで殊勲の四大大会初優勝を達成し、6月には世界No.1となった23歳のシナー。しかし最近は単複で出場予定だったパリ五輪を扁桃炎で欠場するなどコンディション不良が続き、前週ディフェンディングチャンピオンとして出場した「ナショナルバンク・オープン」(カナダ・モントリオール/ハード/ATP1000)でも準々決勝敗退を喫していた。
それでも今大会は苦しみながらも王者の意地を見せて勝ち上がり(うち1試合は不戦勝)、準決勝では3時間7分の死闘の末に世界4位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を7-6 (9)、5-7、7-6 (4)で撃破。優勝を懸けて、四大大会に次ぐマスターズで初の決勝進出を遂げたティアフォーとの注目の対決を迎えた。
シナーは開始直後の第1ゲームでいきなりブレークポイントを握られるも何とかセーブ。すると第4ゲームではパッシングショットでティアフォーのボレーミスを誘い、次のポイントでバックハンドのウィナーを決めて0-30と先行。しかしここはブレークできず、その後は両者ともにサービスキープを継続する。
膠着状態が続いた中で迎えた第9ゲームではシナーが度重なるミスでブレークポイントを与えてしまう。それでもここを凌ぎ切り、結局第1セットはタイブレークに突入。ここではシナーが得意のフォアハンドのカウンターでウィナーを奪って先にミニブレークに成功する。一時逆転を許したものの、そこからラリー戦を立て続けに制したシナーが2本のセットポイントを取得。最後は深いリターンでポイントを奪取し、55分にも及ぶ接戦の末に1セットアップとした。
これで流れをつかんだシナーは第2セットの第1ゲームで早々にブレークに成功。10分以上もの攻防が繰り広げられた第5ゲームでもティアフォーのサービスを破り、きっちりとリードを守り切って勝利を収めた。
価値あるマスターズ3勝目、さらにはツアー通算15勝目も手にした23歳の世界王者は試合後のオンコートインタビューで今大会を振り返りつつ、次のように喜びを語った。
「とても難しい、厳しい1週間だった。今日の試合にはとても満足している。精神的にとても厳しかったが、今大会は素晴らしい勝ち上がりを見せられたし、今日もベストを尽くそうと頑張った。僕たちは2人とも昨日からかなり疲れていて、緊張もしていたが、今日は特に重要な場面での自分のプレーのレベルにとても満足しているよ」
最後には間もなく開幕を迎える今季最後の四大大会「全米オープン」(8月26日~9月8日/アメリカ・ニューヨーク/ハード)に向け、「ニューヨークでも良いテニスができることを願っている」と意気込みを示したシナー。この勢いのまま全米でのグランドスラム(四大大会)2勝目を期待したい。
文●中村光佑
【動画】シナーVSティアフォーの「シンシナティ・オープン」決勝ハイライト
【PHOTO】シナーはじめウインブルドン2024で存在感を放つ男子トップ選手の厳選ショット!
【関連記事】No.1のシナーがジョコビッチ対アルカラスの五輪決勝を称賛!「世界最高の選手2人が戦うと特別なプレーが生まれる」<SMASH>
今年1月の全豪オープンで殊勲の四大大会初優勝を達成し、6月には世界No.1となった23歳のシナー。しかし最近は単複で出場予定だったパリ五輪を扁桃炎で欠場するなどコンディション不良が続き、前週ディフェンディングチャンピオンとして出場した「ナショナルバンク・オープン」(カナダ・モントリオール/ハード/ATP1000)でも準々決勝敗退を喫していた。
それでも今大会は苦しみながらも王者の意地を見せて勝ち上がり(うち1試合は不戦勝)、準決勝では3時間7分の死闘の末に世界4位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を7-6 (9)、5-7、7-6 (4)で撃破。優勝を懸けて、四大大会に次ぐマスターズで初の決勝進出を遂げたティアフォーとの注目の対決を迎えた。
シナーは開始直後の第1ゲームでいきなりブレークポイントを握られるも何とかセーブ。すると第4ゲームではパッシングショットでティアフォーのボレーミスを誘い、次のポイントでバックハンドのウィナーを決めて0-30と先行。しかしここはブレークできず、その後は両者ともにサービスキープを継続する。
膠着状態が続いた中で迎えた第9ゲームではシナーが度重なるミスでブレークポイントを与えてしまう。それでもここを凌ぎ切り、結局第1セットはタイブレークに突入。ここではシナーが得意のフォアハンドのカウンターでウィナーを奪って先にミニブレークに成功する。一時逆転を許したものの、そこからラリー戦を立て続けに制したシナーが2本のセットポイントを取得。最後は深いリターンでポイントを奪取し、55分にも及ぶ接戦の末に1セットアップとした。
これで流れをつかんだシナーは第2セットの第1ゲームで早々にブレークに成功。10分以上もの攻防が繰り広げられた第5ゲームでもティアフォーのサービスを破り、きっちりとリードを守り切って勝利を収めた。
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「とても難しい、厳しい1週間だった。今日の試合にはとても満足している。精神的にとても厳しかったが、今大会は素晴らしい勝ち上がりを見せられたし、今日もベストを尽くそうと頑張った。僕たちは2人とも昨日からかなり疲れていて、緊張もしていたが、今日は特に重要な場面での自分のプレーのレベルにとても満足しているよ」
最後には間もなく開幕を迎える今季最後の四大大会「全米オープン」(8月26日~9月8日/アメリカ・ニューヨーク/ハード)に向け、「ニューヨークでも良いテニスができることを願っている」と意気込みを示したシナー。この勢いのまま全米でのグランドスラム(四大大会)2勝目を期待したい。
文●中村光佑
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