女子テニス元世界1位のクリス・エバート氏(アメリカ/69歳)が8月31日に自身の公式X(@ChrissieEvert)を更新し、現在開催中のテニス四大大会「全米オープン」女子シングルスに出場しているカロリーナ・ムチョバ(チェコ/元8位/現52位)に対する発言を謝罪した。
海外メディア『Tennis 365』によると、ムチョバが大坂なおみ(88位)に勝利した現地29日の2回戦で解説を務めたエバート氏は、ムチョバのテニスについて「彼女は男子選手のようにプレーする。というよりも男子のようにプレーしたいのだと思う。男子は女子よりもサービスが強くて、ほとんどの場合ボレーもうまく、少しながら動きも女子より優れている」と発言したという。
このエバート氏の発言を、テニスサイト『Open Court』で記者を務めるステファニー・マイルズ氏が自身のX(@OpenCourt)で伝えたところ、今大会をケガで欠場している世界17位のオンス・ジャバー(チュニジア)が反論。「ムチョバは驚くほど才能のある選手です。素晴らしいサービスやボレー、動きをするのに男子選手である必要はありません。性別に基づいた固定観念はやめてもらえませんか?」と綴った。
このジャバーの意見には、今回の全米でオンコートインタビュワーとして度々登場している男子元13位のニック・キリオス(オーストラリア)も「同感! 彼女は素晴らしかった。なぜそんなこと(性別)が問題になるのか? 彼女のボレーは素晴らしかった、彼女は非現実的だった。オンス、君のスライスを教えて(笑)。僕のはフェンスに当たっちゃうんだ」とジョークを交えつつ賛同。思わぬ形でエバート氏が批判を受ける形となった。
ちなみに多彩なプレーを武器に持つムチョバは、大坂戦でも巧みなラケットタッチで観客を魅了。試合後のキリオスによるオンコートインタビューでは、四大大会20勝を誇る元世界王者のロジャー・フェデラー(スイス/引退)を参考にしてきたことを明かし、「彼のプレーをずっと見てきた。自分のプレーにも取り入れるようにしている」と話していた。
しかし自身が男子選手のようにプレーしているという自覚はさすがにないようだ。9月1日の3回戦でアナスタシア・ポタポワ(ロシア/38位)に6-4、6-2で快勝して2年連続の16強入りを決めたムチョバは、試合後の会見で記者からエバート氏の自身に対する発言を聞き、次のように答えた。
「自分が男子選手のようなプレーをしているとは思わない。それについては何と言っていいのかわからないし、エバート氏が何と言ったかもわからない。私は確かにフェデラー氏やジョコビッチ(セルビア/2位)のような選手からインスピレーションを受けながら自分のプレーをしてきたけど、その質問に答える準備はできていなかった」
なお結局エバート氏は31日に更新した自身のXで、ジャバーとキリオスに「お2人を不快にさせてしまったなら申し訳ありません。決して私の意図したことではありませんでした(以下略)」と謝罪。これを受けてジャバーは「クリッシー(エバート氏の愛称)、お返事をありがとうございます。世の中には信じられないくらい素晴らしいテニスをしている、素晴らしい女子選手がたくさんいます。私たちはお互いに支え合う必要があります」と返答している。
文●中村光佑
【画像】エバート氏やキリオスの投稿を引用しながら一連のやり取りを紹介したジャバーのX画面
【画像】ムチョバ、大坂なおみら、全米オープン2024で熱戦を繰り広げる女子選手たちの厳選写真!
【関連記事】大坂なおみ、全米オープン2回戦敗退!元世界8位ムチョバと競り合うもセットを奪えずストレートで押し切られる<SMASH>
海外メディア『Tennis 365』によると、ムチョバが大坂なおみ(88位)に勝利した現地29日の2回戦で解説を務めたエバート氏は、ムチョバのテニスについて「彼女は男子選手のようにプレーする。というよりも男子のようにプレーしたいのだと思う。男子は女子よりもサービスが強くて、ほとんどの場合ボレーもうまく、少しながら動きも女子より優れている」と発言したという。
このエバート氏の発言を、テニスサイト『Open Court』で記者を務めるステファニー・マイルズ氏が自身のX(@OpenCourt)で伝えたところ、今大会をケガで欠場している世界17位のオンス・ジャバー(チュニジア)が反論。「ムチョバは驚くほど才能のある選手です。素晴らしいサービスやボレー、動きをするのに男子選手である必要はありません。性別に基づいた固定観念はやめてもらえませんか?」と綴った。
このジャバーの意見には、今回の全米でオンコートインタビュワーとして度々登場している男子元13位のニック・キリオス(オーストラリア)も「同感! 彼女は素晴らしかった。なぜそんなこと(性別)が問題になるのか? 彼女のボレーは素晴らしかった、彼女は非現実的だった。オンス、君のスライスを教えて(笑)。僕のはフェンスに当たっちゃうんだ」とジョークを交えつつ賛同。思わぬ形でエバート氏が批判を受ける形となった。
ちなみに多彩なプレーを武器に持つムチョバは、大坂戦でも巧みなラケットタッチで観客を魅了。試合後のキリオスによるオンコートインタビューでは、四大大会20勝を誇る元世界王者のロジャー・フェデラー(スイス/引退)を参考にしてきたことを明かし、「彼のプレーをずっと見てきた。自分のプレーにも取り入れるようにしている」と話していた。
しかし自身が男子選手のようにプレーしているという自覚はさすがにないようだ。9月1日の3回戦でアナスタシア・ポタポワ(ロシア/38位)に6-4、6-2で快勝して2年連続の16強入りを決めたムチョバは、試合後の会見で記者からエバート氏の自身に対する発言を聞き、次のように答えた。
「自分が男子選手のようなプレーをしているとは思わない。それについては何と言っていいのかわからないし、エバート氏が何と言ったかもわからない。私は確かにフェデラー氏やジョコビッチ(セルビア/2位)のような選手からインスピレーションを受けながら自分のプレーをしてきたけど、その質問に答える準備はできていなかった」
なお結局エバート氏は31日に更新した自身のXで、ジャバーとキリオスに「お2人を不快にさせてしまったなら申し訳ありません。決して私の意図したことではありませんでした(以下略)」と謝罪。これを受けてジャバーは「クリッシー(エバート氏の愛称)、お返事をありがとうございます。世の中には信じられないくらい素晴らしいテニスをしている、素晴らしい女子選手がたくさんいます。私たちはお互いに支え合う必要があります」と返答している。
文●中村光佑
【画像】エバート氏やキリオスの投稿を引用しながら一連のやり取りを紹介したジャバーのX画面
【画像】ムチョバ、大坂なおみら、全米オープン2024で熱戦を繰り広げる女子選手たちの厳選写真!
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