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キャリアの終焉が迫るナダルに、フェデラーから温かいメッセージ「彼が望むように引退できることを願っている」<SMASH>

中村光佑

2024.09.04

ライバルであり親友でもあるフェデラー(左)とナダル(右)。今も2人の間には交流があり、つい最近会話を交わしたという。(C)Getty Images

 現在開催中のテニス四大大会「全米オープン」の観戦に訪れている男子テニス元世界ランク1位のロジャー・フェデラー氏(スイス/43歳/引退)が、アメリカの情報番組『The Today Show』に出演。その中で今季限りでの現役引退を示唆している盟友のラファエル・ナダル(スペイン/元1位/現154位)に向け、温かいメッセージを送った。

 年明けのブリスベン国際(ATP250)で負った左足上部の負傷により一時戦列を離れた38歳のナダルは、4月中旬に母国で開かれた「バルセロナ・オープン」(ATP500)で約3カ月ぶりに実戦に復帰。自身が14度もの優勝を誇る「全仏オープン」にも無事出場を果たしたが、初戦でいきなりトップ選手のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/現4位)と当たり、4-6、6-7(5)、3-6で敗れた。

 直後の芝シーズンはパリ五輪への調整を理由にスキップ。迎えた五輪には単複で参戦したが、シングルスは2回戦で後に悲願の金メダルを獲得するノバク・ジョコビッチ(セルビア/現2位)に1-6、4-6で敗退。後輩のカルロス・アルカラス(現3位/21歳)と組んだ男子ダブルスではベスト8に進んだものの、準々決勝で同種目のスペシャリスト、オースティン・クライチェク/ラジーブ・ラム(アメリカ)に2-6、4-6で敗れた。

 引退後もかけがえのないライバルで親友でもあるナダルの動向はしっかりと追っているというフェデラー氏。「最近彼と話したんだ。彼が僕に聞きたいことがあったみたいでね」と切り出すと、キャリアの終焉が差し迫る中でナダルが望み通りの復帰ロードを歩めなかったことについて一言こう述べた。
 
「まあちょっと気の毒には思ったね。彼の夏は計画通りにはいかなかった。全仏オープンもパリ五輪も厳しいドローになってしまったからね」

 さらに「彼は五輪でメダルを狙っていたと思う。もちろんダブルスでもアルカラスと一緒にメダル獲得を狙っていただろう」と付け加えた同氏は、先述のナダルとの会話で「今はやりたいようにできる。我々のスポーツ史上、最も象徴的な選手の1人だと伝えたよ」とコメント。最後にはまだ具体的な引退時期を明かしていない盟友への思いを次のように明かした。

「彼自身が自分の望む状況で、自分のやりたいように引退できることを願っている。彼は素晴らしい人間だし、素晴らしいキャリアを築いてきた。どうするかは彼次第だ。僕はそれ(引退時期)については何も知らないが、我々が考えているよりもずっと長く彼がプレーしてくれることを願っている。ただ問題は彼の身体だ。彼自身も正直にそう言っているからね」

 長年コート上でしのぎを削ってきたからこそ、フェデラー氏の言葉にはナダルへの温かい思いが溢れている。現役続行か引退か――どのような決断であってもナダルの意志を尊重したいものだ。

文●中村光佑

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