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海外テニス

英国期待の22歳ドレイパー、全米オープン準決勝敗退も「自分のことを誇りに思っている」と手応え<SMASH>

中村光佑

2024.09.08

ドレイパーの快進撃はベスト4で終止符が打たれたが、戦いを通じて22歳の俊英は大きな手応えを得たようだ。(C)Getty Images

ドレイパーの快進撃はベスト4で終止符が打たれたが、戦いを通じて22歳の俊英は大きな手応えを得たようだ。(C)Getty Images

 今季最後のテニス四大大会「全米オープン」の男子シングルスで決勝進出を逃したものの、ベスト4入りを果たした22歳のジャック・ドレイパー(イギリス/世界ランク25位)が準決勝後のメディア対応で今後に向けた自身への期待を口にした。

 今大会には第25シードで出場したドレイパー。3回戦で22年全米覇者のカルロス・アルカラス(スペイン/同3位)に勝利したボティック・ファンデ・ザンツフープ(オランダ/同74位)に6-3、6-4、6-2で快勝すると、トマシュ・マハーチ(チェコ/同39位)との3回戦、アレックス・デミノー(オーストラリア/同10位)との4回戦はいずれもストレートで突破し、驚異の失セット数0で四大大会初の4強進出を果たしていた。

 準決勝ではツアーで度々ダブルスを組んでいる親友で世界1位のヤニック・シナー(イタリア)と対戦。相手コートに深く突き刺さるショットを幾度となく繰り出すもシナーの我慢強いプレーに苦戦を強いられ、2度のブレークを許して第1セットを落としてしまう。

 攻防が激しさを増した第2セットではドレイパーが突如嘔吐する場面も。タイブレークを落として2セットダウンとされると、第3セットでは2度サービスダウンを喫し、5-7、6-7(3)、2-6で敗れた。

 会見で試合途中に嘔吐したことについて問われたドレイパーは主に湿度の高さによるものだと回答。「この結果は明らかに大きなステップアップで、僕にとっては大きな出来事でもあった」と今大会での自身の快進撃を振り返りつつ、タフな試合内容や決勝進出を懸けた大一番ならではの緊張感も体調面に大きく影響したと語った。
 
「ここまではほとんど湿度が高くなかったのに、今日は明らかに高かった。非常にタイトな試合だったのも確かだ。トップ選手と対戦すると、激しさが違う。だからこそヤニック(シナー)は世界1位なんだと思う。

 僕は普段はかなりリラックスしているが、今日は間違いなくいつもより興奮していて、少し緊張もしていた。僕は間違いなく、かなり不安になりやすい人間だ。そういう要素を全て合わせると、コート上で少し吐き気を感じることもあるし、苦しいときには気分が悪くなることもある。試合前は何も問題はなかったけど、そういうものが積み重なっていった」

 それでも「準決勝まで来て棄権するつもりはなかった」とドレイパー。「自分のことを誇りに思っている。全力を尽くして戦った」と手応えを明かした22歳は最後に今後に向けての並々ならぬ意欲を示した。

「今年は初めてまともなシーズンを過ごせている。ケガや挫折のせいで、数年遅れているような気がしていたからね。日々学びながら成長し続け、今日のような状況に陥っても次回はどうするか、そういったことを繰り返していく必要がある。それが一番大事なことだ。率直に、(さらなる成功は)時間の問題だろう。経験を積み、正しいと思う全てのことを遂行し、継続的なトレーニングを重ねながら時間が経つにつれて強くなる。可能ならもっと頻繁にこのような状況に遭遇し、それを乗り越えられるようになりたい」

 まだまだ若いドレイパーには四大大会優勝のチャンスがまた来るはずだ。今回の敗戦を糧に、さらなる飛躍を期待したい。

文●中村光佑

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