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海外テニス

「今日はイメージを超えてきた」錦織圭が完璧なプレーで世界29位を破り8強入り!「これが自分なんだな」と手応え<SMASH>

渡辺隆康(スマッシュ編集部)

2024.09.28

ジャパンオープンで6年ぶりのベスト8入りを決めた錦織圭。「潜在能力が急に出るタイミングが今日だった」と会心のプレーを見せた。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

ジャパンオープンで6年ぶりのベスト8入りを決めた錦織圭。「潜在能力が急に出るタイミングが今日だった」と会心のプレーを見せた。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

 男子テニスツアー「木下グループジャパンオープン2024」(9月25日~10月1日/東京・有明/ハードコート/ATP500)は28日に大会4日目を迎え、シングルス2回戦などを実施。ケガからの復活ロードを歩む錦織圭(世界ランク200位)はジョーダン・トンプソン(オーストラリア/29位)を6-2、6-3のストレートで下し、6年ぶりとなるベスト8進出を決めた。

「自分が一番びっくりしている。何で入るんだろうというボールも入り、ムチャクチャ調子良かった」

 そう自画自賛するほど、錦織のプレーはハイレベルだった。相手のトンプソンは「普段から練習を一緒にしていて、仲もいい」(錦織)という選手で、過去の対戦成績は錦織の2勝1敗と相性はいい。一発の力で勝負するのではなく、冷静にラリーを作ってくるタイプだ。

 それゆえに錦織は「今日は攻めないといけないと思っていた。(1回戦で対戦した)チリッチみたいに打ってくる選手ではないので、しっかりラリーしてしまうと相手に分ができてしまう」と、積極的なテニスを志す。それが見事に奏功した。

 テンポを速めたラリーを支配したのはほとんど錦織だった。コートを広く使って先にボールを散らし、隙を作っては強打を決める。特にフォアハンドをアングルに振って相手を追い出し、オープンコートにバックを突き刺すパターンで再三ポイントを奪った。
 
 深いボールで押し込んでからのドロップショット、ワイドサービスからのV字攻撃に、流れるようなネットへの連係...そして相手がネットに出てくればスピンロブと、やることなすことうまくいく“錦織劇場”に、満場の観客は沸き上がり、酔いしれた。

 第1セットはトンプソンのサービスゲームを2つブレークし、錦織はオールキープで6-2。第2セットは錦織も1ダウンを喫したが、3つブレークを決めて6-3。最後はトンプソンが力尽きたかのようにダブルフォールトを犯し、1時間23分で錦織に軍配が上がった。

 試合前には「自信もまだ100パーセントあるわけではない」と語っていた錦織だが、「今日は(プレーが)イメージを超えてきた」と言う。「これが自分なんだなと。やっぱり潜在能力がまだあって、それが急に出るタイミングが今日だったんだなと」

 復帰後、アップダウンを繰り返しながら徐々に調子を戻してきた錦織にとって、今日のトンプソン戦は完全復活へのきっかけになり得る一戦だろう。

「まだ1試合なので油断はできない。これが続かないと意味がない」と気を引き締める錦織。準々決勝では、2回戦で西岡良仁を6-2、6-4で破ったホルガー・ルネ(デンマーク/14位)と対戦する。そこでの出来が、錦織の今後を占う上で重要な意味を持つ。

取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)

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