現在開催中の男子テニスツアー「ロレックス上海マスターズ」(10月2日~13日/中国・上海/ハードコート/ATP1000)」のシングルス3回戦で敗退した世界ランク17位のフランシス・ティアフォー(アメリカ)が試合後に主審に対してFワードを連発し、物議を醸している。
ティアフォーは現地8日の3回戦でロマン・サフィウリン(ロシア/61位)と対戦。試合は互いに1セットずつを取り合い、勝負のファイナルセットも両者譲らずタイブレークへと突入した。
ここではティアフォーが先にミニブレークを許すも追いつき、10ポイント目のロングラリーを制して5-5に。問題のシーンが起こったのは次のポイントが始まる直前だった。サービスを打つ前の確認的な意味合いでトスを上げたティアフォーに対し、主審がタイムバイオレーションを宣告。これが2度目の警告だったため、ポイントはセカンドサービスからとなった。
これにティアフォーは「今トスを上げただろ! プレーを始める準備はできていたぞ!」と猛抗議したものの受け入れられず、そのままセカンドサービスを打つ羽目に。水を差された格好のティアフォーは11、12ポイント目を連続で落とし、7-5、5-7、6-7(5)で敗戦。何とも後味の悪い形でベスト16進出を逃すこととなった。
試合終了後にサフィウリンと握手を交わしたティアフォーは、理不尽な警告を与えられた怒りのあまり、主審の元に向かいながらFワードを連発。さらには「試合を台無しにしやがって! ちゃんと仕事をしろ! 約3時間、俺は命がけで戦ったんだよ!」と吐き捨て、コートを後にした。
だがスペインメディア『Punto de Break』が試合後にYouTubeで問題のシーンに言及した解説動画では、主審がティアフォーにタイムバイオレーションを与えたのにはれっきとした理由があったのではないかとの考察がなされている。
直前のポイントがロングラリーになった影響から、実はこの時ショットクロックはわずか1秒しか残っていなかったという。どうやら主審はティアフォーがタイムバイオレーションを逃れるために、“確信犯的”にフェイクのトスを上げたと判断したようだ。テニスストリーミングサイト『Tennis TV』で実際の映像を見てみると、確かにティアフォーが相手コート側にあったショットクロックに目配せをしながらトスをしているのがわかる。
とはいえ、激しい打ち合いをして息が上がっている中で制限時間内にサービスを打つというのは少々酷な話ではある。例外的にショットクロックのスタートを遅らせるなどの対応を講じることはできたのではないだろうか。無論Fワード連発は許されないことだが、それを考えるとティアフォーの気持ちも理解できなくはない。
なおティアフォーは試合後に自身のインスタグラムのストーリーズ(24時間で自動消去)を更新し、謝罪の言葉を投稿。「今夜の自分の行動については本当に申し訳なく思っています。(中略)主審や大会、そしてファンの皆さんに謝罪したいと思います」と綴った。
文●中村光佑
【動画】ティアフォーが警告を受けた問題のトスのシーンと、試合後に汚い言葉で審判を罵る様子
【分解写真】ティアフォーのフォアハンド“しばき”リターン「30コマの超連続写真」
【関連記事】「ポイントやり直しだろう!」マッチポイントでラケット破壊のティアフォー。ポイントペナルティで劇的な幕切れ<SMASH>
ティアフォーは現地8日の3回戦でロマン・サフィウリン(ロシア/61位)と対戦。試合は互いに1セットずつを取り合い、勝負のファイナルセットも両者譲らずタイブレークへと突入した。
ここではティアフォーが先にミニブレークを許すも追いつき、10ポイント目のロングラリーを制して5-5に。問題のシーンが起こったのは次のポイントが始まる直前だった。サービスを打つ前の確認的な意味合いでトスを上げたティアフォーに対し、主審がタイムバイオレーションを宣告。これが2度目の警告だったため、ポイントはセカンドサービスからとなった。
これにティアフォーは「今トスを上げただろ! プレーを始める準備はできていたぞ!」と猛抗議したものの受け入れられず、そのままセカンドサービスを打つ羽目に。水を差された格好のティアフォーは11、12ポイント目を連続で落とし、7-5、5-7、6-7(5)で敗戦。何とも後味の悪い形でベスト16進出を逃すこととなった。
試合終了後にサフィウリンと握手を交わしたティアフォーは、理不尽な警告を与えられた怒りのあまり、主審の元に向かいながらFワードを連発。さらには「試合を台無しにしやがって! ちゃんと仕事をしろ! 約3時間、俺は命がけで戦ったんだよ!」と吐き捨て、コートを後にした。
だがスペインメディア『Punto de Break』が試合後にYouTubeで問題のシーンに言及した解説動画では、主審がティアフォーにタイムバイオレーションを与えたのにはれっきとした理由があったのではないかとの考察がなされている。
直前のポイントがロングラリーになった影響から、実はこの時ショットクロックはわずか1秒しか残っていなかったという。どうやら主審はティアフォーがタイムバイオレーションを逃れるために、“確信犯的”にフェイクのトスを上げたと判断したようだ。テニスストリーミングサイト『Tennis TV』で実際の映像を見てみると、確かにティアフォーが相手コート側にあったショットクロックに目配せをしながらトスをしているのがわかる。
とはいえ、激しい打ち合いをして息が上がっている中で制限時間内にサービスを打つというのは少々酷な話ではある。例外的にショットクロックのスタートを遅らせるなどの対応を講じることはできたのではないだろうか。無論Fワード連発は許されないことだが、それを考えるとティアフォーの気持ちも理解できなくはない。
なおティアフォーは試合後に自身のインスタグラムのストーリーズ(24時間で自動消去)を更新し、謝罪の言葉を投稿。「今夜の自分の行動については本当に申し訳なく思っています。(中略)主審や大会、そしてファンの皆さんに謝罪したいと思います」と綴った。
文●中村光佑
【動画】ティアフォーが警告を受けた問題のトスのシーンと、試合後に汚い言葉で審判を罵る様子
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