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全仏オープンジュニア本戦出場権を目指す熱い戦い!頂点に立ったのは日本の上方璃咲と川西飛生<SMASH>

スマッシュ編集部

2024.10.21

世界中のジュニア選手が目標にしている四大大会の一つ「全仏オープン」のジュニア部門の本戦出場権を手にした川西飛生と上方璃咲。写真:梅月智史(THE DIGEST 写真部)

世界中のジュニア選手が目標にしている四大大会の一つ「全仏オープン」のジュニア部門の本戦出場権を手にした川西飛生と上方璃咲。写真:梅月智史(THE DIGEST 写真部)

 優勝者には来年開催されるテニス四大大会の一つである「全仏オープン」(フランス・パリ)のジュニア部門本戦出場権が与えられる「ローランギャロス ジュニアシリーズ by Renault」(10月16日~20日/東京・第一生命相娯園テニスコート/クレーコート)は20日、大会最終日を迎え男女各シングルス決勝を実施。女子は上方璃咲、男子は川西飛生がともにフルセットの末に優勝を果たした。

 今大会はアジア8カ国から男子16名、女子16名の計32名の有望ジュニア選手が参加。試合は最初ラウンドロビン方式(リーグ戦)を行ない、男女各上位4選手がノックアウト方式の決勝トーナメントを戦うもの。

 上方と早坂来麗愛による女子決勝は、今年の全日本ジュニア16歳以下の決勝と同じ顔合わせ。全仏オープンと同じ「レッドクレーコートで試合をするのは(今大会が)初めて」という上方は、「練習の時にボールがよく跳ねることやイレギュラーの対応が大変だったので、そこが試合の鍵になる」と考えて丁寧にプレー。

 上方は得意の高低差のあるスピンボールを軸に第1セットを6-2で先取するが、第2セットは「2日前から痛みが出ていた」右太ももの影響もありショットの精度を落として3-6とイーブンに戻される。そしてメディカルタイムアウトを挟んで迎えたファイナルセットは「気合とアドレナリンで乗り切った」と再びギアを上げて6-3で勝利を引き寄せた。

 ITF(国際テニス連盟)のランキングを持たないが「実際に試合をしてみて海外の選手と張り合えることにうれしさを感じました」と今大会を振り返る上方。表彰式で来年パリに行ったら何がしたいか尋ねられ「エッフェル塔が見たいです」と最後は笑顔で答えた。
 
 一方、女子に続いて行なわれた男子決勝。強烈なサービスを軸に今年の全日本ジュニア16歳以下で優勝している川西と、安定感抜群のストロークとコートカバーリングを武器とする田畑遼による戦いは、互いにミスの少ないハイレベルなゲームを繰り広げた。

 第1セットは第5ゲームでサービスブレークに成功した田畑がリードを守り切り6-4で先取。だが第2セットは逆にギアを上げてきた川西が2ブレークして1-6と奪い返す。取ったら取り返す互角の展開となったファイナルセットは、6-5で迎えた第12ゲームで川西がマッチポイントを握るも取り切れず。戦いはタイブレークにもつれ込み、ラストスパートをかけた川西が7-4で激闘に終止符を打った。

 勝利した川西は「自分がリードしている場面でビビッてしまうこともありましたが、最後の追いつかれた時に思い切りプレーできたのが良かったです」と振り返る。パリ行きを決めた感想を聞かると「自分はまだグランドスラム(四大大会)ジュニアの本戦も予選も出たことないので、このような機会をいただけてむちゃくちゃうれしいです」と喜びを口にした。

 フランス・テニス連盟主催による本大会はアジアテニス連盟の公式大会。大会側はアジアではクレーコートは珍しいため、若い選手たちがこの難しいサーフェス(コート)で経験を積み、将来に備え、このスポーツの伝統とより深いつながりを育むための、重要なプラットフォームの提供を考えている。来年開催される全仏オープンジュニアの本戦出場権を獲得した上方と川西。果たして本場のレッドクレーを舞台にどんな戦いを見せてくれるのか注目したい。

取材・文●小松崎弘(スマッシュ編集部)

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