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海外テニス

世界ランク1位のシナーがATPファイナルズ初優勝!失セット数0で今季8勝目を飾る「最高のプレーができた」<SMASH>

中村光佑

2024.11.18

年間成績上位の8名が出場できる最終戦で23歳のシナーが初制覇。決勝では、全米オープン決勝でも顔を合わせたフリッツに勝利した。(C)Getty Images

年間成績上位の8名が出場できる最終戦で23歳のシナーが初制覇。決勝では、全米オープン決勝でも顔を合わせたフリッツに勝利した。(C)Getty Images

 男子テニスのシーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(11月10日~17日/イタリア・トリノ/室内ハードコート/FIN)は大会最終日の現地17日にシングルス決勝を実施。世界ランク1位のヤニック・シナー(イタリア)が同5位のテイラー・フリッツ(アメリカ)を6-4、6-4で下し、同大会初優勝並びに今季8勝目を飾った。

 シーズンを通して好成績を収めた上位8名が出場できる最終戦、今季だけで四大大会2勝を挙げた23歳のシナーはイリ・ナスターゼ・グループとして参戦。3戦連続のストレート勝ちでラウンドロビン(予選)を突破すると、準決勝では世界7位のキャスパー・ルード(ノルウェー)に6-1、6-2で完勝し、2年連続の決勝進出を決めていた。

 予選で同グループのフリッツに6-4、6-4で勝利していたシナーは、その再戦となった決勝でも試合を優位に進めていく。ベースライン後方から容赦ない攻めのテニスを披露し、フリッツの強力なストロークにもしっかりと対応。互いにキープを続けて迎えた第7ゲームでブレークチャンスをものにし、そのリードを守り切って1セットアップとした。

 第2セットも第5ゲームでシナーがフリッツのミスから先にブレーク。その後も攻撃の手を緩めず相手に主導権を渡さない。サービング・フォー・ザ・チャンピオンシップとなった第10ゲームでもラリー戦をことごとく制して40-15とすると、最後はフリッツのフォアがサイドアウト。1時間24分で試合を締めた。
 
 ちなみに2000年代生まれの選手によるファイナルズ制覇は今回が初めて。また失セット数0での最終戦優勝はジョン・マッケンロー(アメリカ/元1位)とイワン・レンドル(チェコ/元1位)に次ぐ史上3人目の快挙だ。

 圧巻のパフォーマンスで昨年準優勝の雪辱を果たした23歳の王者は、ATP(男子プロテニス協会)公式サイトを通じて次のように喜びを語った。

「素晴らしいことだ。イタリアでの初タイトルで、僕にとってはとても大きな意味があるものだし、特別なことでもある。対戦相手ごとに何がベストなプレーになりうるかを理解し、できる限り最高のテニスをしようと努めた。それがキーポイントだったと思う。非常にハイレベルなトーナメントだったけど、自分の中で最高のプレーができていると感じた瞬間もあったから、とてもうれしい」

 一方敗れたフリッツはアメリカ勢として1999年のピート・サンプラス(元1位)以来25年ぶりのファイナルズ優勝には届かなかったものの、大会終了後に更新される世界ランキングではキャリアハイとなる4位への浮上が確定。試合後には「本当に良い1週間だった。今年の締めくくり方としても良かった」と満足気に大会を振り返った。

文●中村光佑

【動画】シナーVSフリッツの「Nitto ATPファイナルズ」決勝ハイライト

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