長年にわたって世界のトップをひた走り、絶大なカリスマ性でもファンを魅了してきた男子テニスの「ビッグ3」、ロジャー・フェデラー(スイス/43歳/22年引退)、ラファエル・ナダル(スペイン/38歳/今秋引退)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア/37歳/現7位)。もはやテニス界に欠かせない存在である彼らをめぐって有識者を大いに賑わせてきたのが、3人の中で誰が史上最高の選手なのかを決める「GOAT(Greatest of All Time)論」だ。
以前はフェデラーをGOATに推す傾向が強かった。というのも3人の中で1番年上のフェデラーは最高峰の四大大会で男子選手史上初の20勝を挙げ、ATP世界ランキングでも初めて1位在位300週超えを記録したプレーヤーとなったからだ。また華麗な片手バックハンドを武器とした唯一無二の芸術的なテニスも、多大な支持を得ている重要な要素の1つである。
ところがその後登場したナダルはフェデラーを凌ぐ四大大会22勝、うち全仏オープンでは驚異の14勝をマークし、フェデラーが成し遂げていない五輪での金メダル獲得並びに“生涯ゴールデンスラム”(五輪と四大大会全てを制覇)も達成。
そこからさらに台頭し、未だ現役でプレーしているジョコビッチは現在までに男子選手最多の四大大会24勝、マスターズでトップの40勝、ATPファイナルズ最多の7度のタイトル獲得、史上最年長となる37歳での生涯ゴールデンスラムといった、フェデラーとナダルの2人を上回る功績を残している。とはいえ3人ともに記録が異次元すぎるため、GOAT論の着地点はどこになるのか、全くわからないのが現状だ。
そうした中で先日米テニス専門チャンネル『Tennis Channel』に出演した元世界王者のジム・クーリエ氏(アメリカ/54歳)はジョコビッチがGOATだと発言。直接対決でもジョコビッチがフェデラーに27勝23敗、ナダルに31勝29敗といずれもわずかながら勝ち越していることを踏まえ、自身の考えをこう主張した。
「信じられないかもしれないが、フェデラーは私の中では3位だ。10年前ならフェデラーが間違いなく史上最高だと思っていただろう。だがナダルが現れたことで状況が変わった。私の中で2位に位置するナダルはフェデラーのゲームを攻略するカギを見出したからね」
「そして1位のジョコビッチが最終的に彼ら2人(フェデラーとナダル)を超えた。私にとっては直接対決の記録も非常に重要だ。それを見れば、ジョコビッチが2人よりもわずかに優れていることがわかるだろう」
今後も白熱していくであろうGOAT論。このまま決着しない可能性もあるように思えるが、今後の動向に注目していきたい。
文●中村光佑
【画像】ジョコビッチはじめ、パリオリンピック・テニス競技のメダリストたち
【関連記事】“GOAT”から“時代の終焉”とは…ジョコビッチの評価急落に女子元4位のガルシアが物申す!「滑稽だわ」<SMASH>
【関連記事】「ジョコビッチこそ史上最高の選手。議論の余地はない」フェレーロ氏がGOAT論争に持論<SMASH>
以前はフェデラーをGOATに推す傾向が強かった。というのも3人の中で1番年上のフェデラーは最高峰の四大大会で男子選手史上初の20勝を挙げ、ATP世界ランキングでも初めて1位在位300週超えを記録したプレーヤーとなったからだ。また華麗な片手バックハンドを武器とした唯一無二の芸術的なテニスも、多大な支持を得ている重要な要素の1つである。
ところがその後登場したナダルはフェデラーを凌ぐ四大大会22勝、うち全仏オープンでは驚異の14勝をマークし、フェデラーが成し遂げていない五輪での金メダル獲得並びに“生涯ゴールデンスラム”(五輪と四大大会全てを制覇)も達成。
そこからさらに台頭し、未だ現役でプレーしているジョコビッチは現在までに男子選手最多の四大大会24勝、マスターズでトップの40勝、ATPファイナルズ最多の7度のタイトル獲得、史上最年長となる37歳での生涯ゴールデンスラムといった、フェデラーとナダルの2人を上回る功績を残している。とはいえ3人ともに記録が異次元すぎるため、GOAT論の着地点はどこになるのか、全くわからないのが現状だ。
そうした中で先日米テニス専門チャンネル『Tennis Channel』に出演した元世界王者のジム・クーリエ氏(アメリカ/54歳)はジョコビッチがGOATだと発言。直接対決でもジョコビッチがフェデラーに27勝23敗、ナダルに31勝29敗といずれもわずかながら勝ち越していることを踏まえ、自身の考えをこう主張した。
「信じられないかもしれないが、フェデラーは私の中では3位だ。10年前ならフェデラーが間違いなく史上最高だと思っていただろう。だがナダルが現れたことで状況が変わった。私の中で2位に位置するナダルはフェデラーのゲームを攻略するカギを見出したからね」
「そして1位のジョコビッチが最終的に彼ら2人(フェデラーとナダル)を超えた。私にとっては直接対決の記録も非常に重要だ。それを見れば、ジョコビッチが2人よりもわずかに優れていることがわかるだろう」
今後も白熱していくであろうGOAT論。このまま決着しない可能性もあるように思えるが、今後の動向に注目していきたい。
文●中村光佑
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