男子テニスツアーを管轄するATP（男子プロテニス協会）は12月10日に公式サイトを更新し、世界ランク１位のヤニック・シナー（イタリア）がファンのオンライン投票で選出される「2024年ファンズフェイバリット賞（最も好きな選手賞）」を２年連続で受賞したと発表した。

　23歳の若き王者にとって、今季はまさに飛躍のシーズンとなった。開幕からマッチ16連勝を飾るなどスタートダッシュに成功し、１月末の全豪オープンで念願の四大大会初優勝を達成。６月には男女を通じてイタリア人選手初となる世界１位を記録し、９月の全米オープンでは四大大会２勝目をゲットした。

　さらには年間成績の上位８人が集結したシーズン最終戦「ATPファイナルズ」（イタリア・トリノ／ハード／FIN）でも2000年代生まれの選手で初の頂点に立ち、最終的に計８つのツアータイトルを獲得。そして先日行なわれた男子国別対抗戦「デビスカップ」（スペイン・マラガ／ハード）でも母国のタイトル防衛に大きく貢献し、有終の美を飾っていた。
  　ATP公式サイトによると、シナーはシーズンを通して79試合を戦い73勝６敗とし、驚異の勝率92.4％をマーク。加えて四大大会20勝を誇る名手ロジャー・フェデラー（元世界１位／22年引退）だけが05年シーズンに達成していた"ストレート負け（セットを１個も取れずに敗れる）０回"の偉業まで成し遂げたのである。

　フェデラーが03年から19年連続で受賞した名誉あるファンズフェイバリット賞を再び手にした23歳の王者は、次のように喜びを語っている。

「僕に投票してくれた世界中のファンに本当に感謝している。みんなからの投票ということだから、特別な意味があると思う。ファンのみんながいることが、テニスを愛しながらプレーし続ける理由だ。シーズンを通じて、素晴らしいサポートだった」

　もはや誰も止められない勢いを見せているシナー。来季もどんなパフォーマンスを見せてくれるのか注目しよう。

文●中村光佑

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