予選から全てストレート勝ちを収めて四大大会初優勝を果たした2021年の全米オープン以降、ツアータイトルから遠ざかっている女子テニス元世界ランク10位のエマ・ラドゥカヌ(イギリス/現57位/22歳)。彼女は思うような結果を出せていないことに加え、度重なるコーチ交代でも批判の的となってきた。
当時18歳にして初の四大大会ベスト16入りした21年のウインブルドン終了後、ラドゥカヌは同郷のナイジェル・シアーズ氏とのコーチ契約を終了。全米優勝を支えたアンドリュー・リチャードソン氏との短期契約も更新せず、女子元世界4位のジョアナ・コンタ(引退)を指導したエステバン・カリール氏ともトライアルを経てすぐさま関係を解消した。
その後も元1位のアンジェリーク・ケルバー(ドイツ)を16年全豪と全米で優勝に導いたトーベン・ベルツ氏、元2位のアネット・コンタベイト(エストニア/引退)を指南したドミトリー・テュルスノフ氏を招聘したものの、いずれも短期間でパートナーシップを解消。直後にチームに迎え入れたドイツ人指導者のセバスチャン・ザック氏とも袂を分かち、現在は英国ローンテニス協会(LTA)ナショナルアカデミーの元コーチでジュニア時代に師事していたニック・カバディ氏のサポートを受けている。
今年1月に両手首と足首のケガから約9カ月ぶりにカムバックしたラドゥカヌは、現地12月16日にLTAナショナルテニスセンターでメディアの取材に応じ、これらの"コーチ解任劇"により自身が多くの批判を浴びてきたことについて言及。例え話を交えて次のように反論した。
「コーチをコロコロ変えることに興味があるわけではないし、それは私の哲学でもない。私が本気でそう望んだこともない。私自身はコート内外で、とても忠実な人間よ。食べるものに関しても気に入ったものがあれば、それを毎日食べ続けるしね。他人ともそういう関係を築くのが好きだけど、残念ながら、これまではいつもそんな感じでうまくいったわけではなかった」
今季も9月に足を痛めて約2カ月の戦線離脱を強いられ、出場大会数もわずか15にとどまったラドゥカヌ。海外メディア『tennishead』によると、彼女は今後もカバディ氏と仕事を続ける予定だが、先日にはコーチング体制強化を目的として、過去に大坂なおみやマリア・シャラポワ(ロシア)、錦織圭などをサポートした経験を持つ著名フィットネストレーナーの中村豊氏を新たに招聘したという。主にケガの防止と試合数を増やすのが狙いだ。
「来年は今年よりも多く試合でプレーしたい。今の環境ならほぼ毎日、少しずつにはなるけど、転戦中でも良いトレーニングを続けられると思う。それが来年の私にとって大きなプラスになると思っているから、とても楽しみにしているわ」
来季こそ完全復活なるか。シンデレラガールの今後に注目しよう。
文●中村光佑
【画像】シャラポワや大坂なおみの元トレーナーである中村豊氏がラドゥカヌのサポート開始を報告
【30コマの超連続写真】テイクバックが身体の前面に収まっているラドゥカヌのフォアハンド
【関連記事】コーチを繰り返し解任する20歳の元全米女王ラドゥカヌが理由を明かす「私は指示どおり動く人間じゃない」<SMASH>
当時18歳にして初の四大大会ベスト16入りした21年のウインブルドン終了後、ラドゥカヌは同郷のナイジェル・シアーズ氏とのコーチ契約を終了。全米優勝を支えたアンドリュー・リチャードソン氏との短期契約も更新せず、女子元世界4位のジョアナ・コンタ(引退)を指導したエステバン・カリール氏ともトライアルを経てすぐさま関係を解消した。
その後も元1位のアンジェリーク・ケルバー(ドイツ)を16年全豪と全米で優勝に導いたトーベン・ベルツ氏、元2位のアネット・コンタベイト(エストニア/引退)を指南したドミトリー・テュルスノフ氏を招聘したものの、いずれも短期間でパートナーシップを解消。直後にチームに迎え入れたドイツ人指導者のセバスチャン・ザック氏とも袂を分かち、現在は英国ローンテニス協会(LTA)ナショナルアカデミーの元コーチでジュニア時代に師事していたニック・カバディ氏のサポートを受けている。
今年1月に両手首と足首のケガから約9カ月ぶりにカムバックしたラドゥカヌは、現地12月16日にLTAナショナルテニスセンターでメディアの取材に応じ、これらの"コーチ解任劇"により自身が多くの批判を浴びてきたことについて言及。例え話を交えて次のように反論した。
「コーチをコロコロ変えることに興味があるわけではないし、それは私の哲学でもない。私が本気でそう望んだこともない。私自身はコート内外で、とても忠実な人間よ。食べるものに関しても気に入ったものがあれば、それを毎日食べ続けるしね。他人ともそういう関係を築くのが好きだけど、残念ながら、これまではいつもそんな感じでうまくいったわけではなかった」
今季も9月に足を痛めて約2カ月の戦線離脱を強いられ、出場大会数もわずか15にとどまったラドゥカヌ。海外メディア『tennishead』によると、彼女は今後もカバディ氏と仕事を続ける予定だが、先日にはコーチング体制強化を目的として、過去に大坂なおみやマリア・シャラポワ(ロシア)、錦織圭などをサポートした経験を持つ著名フィットネストレーナーの中村豊氏を新たに招聘したという。主にケガの防止と試合数を増やすのが狙いだ。
「来年は今年よりも多く試合でプレーしたい。今の環境ならほぼ毎日、少しずつにはなるけど、転戦中でも良いトレーニングを続けられると思う。それが来年の私にとって大きなプラスになると思っているから、とても楽しみにしているわ」
来季こそ完全復活なるか。シンデレラガールの今後に注目しよう。
文●中村光佑
【画像】シャラポワや大坂なおみの元トレーナーである中村豊氏がラドゥカヌのサポート開始を報告
【30コマの超連続写真】テイクバックが身体の前面に収まっているラドゥカヌのフォアハンド
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