2022年に誕生し、高額賞金やエンターテインメント性、スリリングな試合方式で人気を呼んでいる国内テニスツアー「湘南美容クリニックPresents SBCドリームテニスツアー」。7月の「1stラウンド」に続き、その上位入賞者や国内トップランカーによる「ファイナルラウンド」が12月21日(土)、22日(日)に有明テニスの森公園インドアコート(東京都江東区)で行なわれた。
ファイナルラウンド優勝者には1000万円、準優勝300万円、3位でも100万円が贈られる今大会。破格の設定には理由がある。もともとこのツアーは、活動資金に苦労する国内選手に、海外へ挑戦する足掛かりにしてほしいという主催者側の思いから創設された。そのため賞金は高額で、また選手とスポンサーの縁を取り持つ場としてプロアママッチやレセプションパーティーなども実施している。
試合方式も独特だ。男女シングルス各16選手が参加し、初日に予選リーグ、2日目に8選手による決勝トーナメントを行なうが、全て4ゲームマッチ×2セット+マッチタイブレークのショート形式。選手は一瞬も気を抜けない緊張感と共に、連戦を乗り切るスタミナや回復力も問われ、観客は次々と入れ替わるカードを数多く楽しめるのである。
今年のファイナルラウンド、まず女子に目を向けると非常にハイレベルな選手が名を連ねた。最上位はジャパンオープン4強入りなどの活躍で世界ランクを126位まで急上昇させた伊藤あおい。続いて日本女子を長く牽引してきた自己最高43位の日比野菜緒。さらに18年全日本女王の清水綾乃に、東レPPOでWTAツアー本戦初出場を果たした山口芽生らが参戦。初日の予選リーグの結果、伊藤、日比野、山口らが22日の決勝トーナメントに駒を進めた。
短期決戦とあって番狂わせが多いのがこの大会の特徴。準々決勝で伊藤と日比野が早くも敗れ、決勝は伊藤を破って勢いに乗る細木咲良と、山口の対戦となった。
序盤はフォア、バック両手打ちで高い打点から強打を叩き込む細木がペースをつかみ、2-2からブレークに成功。しかし徐々にストロークのタイミングが合いだした山口が高速フラットでラリーを押し、すぐにブレークバックする。
今季大躍進した山口は、その要因としてハードヒットするスタイルに変えたことを挙げる。「前にどんどん入って打っていくしかないと、やることが定まった」との言葉通り、この決勝でも勝負どころで攻撃のギア上げた。
タイブレークで第1セットをモノにすると、第2セットも終始打ちまくり、先にブレークして3-2とサービングフォーマッチを迎える。そこは細木の粘りに逆転され、タイブレークの末に落とすが、勝負を決するマッチタイブレークでは「ツアーを主戦場にするには、プレーを変えちゃダメ」と集中し直して、強打を貫徹。最後まで打ち切った山口が10-6として大会初優勝を遂げた。
「来年はグランドスラム(四大大会)とWTAツアーを回りたい。そのためには資金が必要で、何としても1000万円をと思って戦った」と山口。明確な目標に向け、準備は整った。
〈女子シングルス結果〉
◆決勝
山口芽生(フリー) 4-3(3) 3-4(4) 10-6 細木咲良(原商)
◆3位決定戦
倉持美穂(SBCメディカルグループ) 4-0 4-3(4) 大前綾希子(橋本総業)
◆準決勝
細木咲良(原商) 4-2 4-0 大前綾希子(橋本総業)
山口芽生(フリー) 4-3(3) 4-2 倉持美穂(SBCメディカルグループ)
◆準々決勝
細木咲良(原商) 4-0 3-4(6) 11-9 伊藤あおい(SBCメディカルグループ)
大前綾希子(橋本総業) 4-0 4-2 日比野菜緒(ブラス)
山口芽生(フリー) 4-1 4-2 佐藤光(アクロステニスアカデミー)
倉持美穂(SBCメディカルグループ) 4-2 4-1 西村佳世(安藤証券)
取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)
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ファイナルラウンド優勝者には1000万円、準優勝300万円、3位でも100万円が贈られる今大会。破格の設定には理由がある。もともとこのツアーは、活動資金に苦労する国内選手に、海外へ挑戦する足掛かりにしてほしいという主催者側の思いから創設された。そのため賞金は高額で、また選手とスポンサーの縁を取り持つ場としてプロアママッチやレセプションパーティーなども実施している。
試合方式も独特だ。男女シングルス各16選手が参加し、初日に予選リーグ、2日目に8選手による決勝トーナメントを行なうが、全て4ゲームマッチ×2セット+マッチタイブレークのショート形式。選手は一瞬も気を抜けない緊張感と共に、連戦を乗り切るスタミナや回復力も問われ、観客は次々と入れ替わるカードを数多く楽しめるのである。
今年のファイナルラウンド、まず女子に目を向けると非常にハイレベルな選手が名を連ねた。最上位はジャパンオープン4強入りなどの活躍で世界ランクを126位まで急上昇させた伊藤あおい。続いて日本女子を長く牽引してきた自己最高43位の日比野菜緒。さらに18年全日本女王の清水綾乃に、東レPPOでWTAツアー本戦初出場を果たした山口芽生らが参戦。初日の予選リーグの結果、伊藤、日比野、山口らが22日の決勝トーナメントに駒を進めた。
短期決戦とあって番狂わせが多いのがこの大会の特徴。準々決勝で伊藤と日比野が早くも敗れ、決勝は伊藤を破って勢いに乗る細木咲良と、山口の対戦となった。
序盤はフォア、バック両手打ちで高い打点から強打を叩き込む細木がペースをつかみ、2-2からブレークに成功。しかし徐々にストロークのタイミングが合いだした山口が高速フラットでラリーを押し、すぐにブレークバックする。
今季大躍進した山口は、その要因としてハードヒットするスタイルに変えたことを挙げる。「前にどんどん入って打っていくしかないと、やることが定まった」との言葉通り、この決勝でも勝負どころで攻撃のギア上げた。
タイブレークで第1セットをモノにすると、第2セットも終始打ちまくり、先にブレークして3-2とサービングフォーマッチを迎える。そこは細木の粘りに逆転され、タイブレークの末に落とすが、勝負を決するマッチタイブレークでは「ツアーを主戦場にするには、プレーを変えちゃダメ」と集中し直して、強打を貫徹。最後まで打ち切った山口が10-6として大会初優勝を遂げた。
「来年はグランドスラム(四大大会)とWTAツアーを回りたい。そのためには資金が必要で、何としても1000万円をと思って戦った」と山口。明確な目標に向け、準備は整った。
〈女子シングルス結果〉
◆決勝
山口芽生(フリー) 4-3(3) 3-4(4) 10-6 細木咲良(原商)
◆3位決定戦
倉持美穂(SBCメディカルグループ) 4-0 4-3(4) 大前綾希子(橋本総業)
◆準決勝
細木咲良(原商) 4-2 4-0 大前綾希子(橋本総業)
山口芽生(フリー) 4-3(3) 4-2 倉持美穂(SBCメディカルグループ)
◆準々決勝
細木咲良(原商) 4-0 3-4(6) 11-9 伊藤あおい(SBCメディカルグループ)
大前綾希子(橋本総業) 4-0 4-2 日比野菜緒(ブラス)
山口芽生(フリー) 4-1 4-2 佐藤光(アクロステニスアカデミー)
倉持美穂(SBCメディカルグループ) 4-2 4-1 西村佳世(安藤証券)
取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)
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