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海外テニス

【伊達公子】シード選手以外がグランドスラム2週目に残るには運と強烈な執着が必要<SMASH>

伊達公子

2025.01.17

「観戦する側からすると、3、4回戦は本当に面白いと思います」と言う伊達公子さん。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

「観戦する側からすると、3、4回戦は本当に面白いと思います」と言う伊達公子さん。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 今年1つめのテニス四大大会、全豪オープンが始まっています。そろそろ3回戦で、2週目に残れるかどうかの戦いです。グランドスラムの本戦に出られるようになったら、次は2週目に残るというのが選手の目標になることが多いです。

 2週目になると、選手の人数も減りますし、選手のロッカーでの緊張感も明らかに変わってきます。2週目に残っている多くはシード選手で、彼らは1、2回戦を50%~70%ぐらいで戦い、後半に向けて徐々にギアを上げていきます。

 ぎりぎりで本戦に入った選手は、1回戦から100%で戦っているため、2週目に入る戦いで、さらにギアを上げて120%を出そうとするのはかなり困難です。そのため、ふるい落とされて2週目にはシード選手が残りやすいわけです。
 
 たまにノーシードの選手が2週目に残れますが、これは運が大きく作用します。ただし、運が巡ってきた時に、しっかりとつかみ取れる準備ができていないと意味がありません。2週間戦えるフィジカルの準備ができた状態で大会に入れていなくては、幸いにも運が巡ってきたとしても逃してしまいます。

 フィジカルの準備をしてきていても、100%、120%で3試合を戦い切るのはかなり疲弊します。フィジカル的にも、メンタル的にもです。そこで、「もういいや」と思ってしまうと終わりです。でも、見たことがない世界を知りたいと思うならば、そこで踏ん張るしかありません。つらい状況で、どれだけ執着できるかでしょう。それができる選手が運をつかんで高みへと進んでいくのです。

 だからこそ、観戦する側からすると、3、4回戦は本当に面白いと思います。2週目に残るという緊張感がある中で、どう選手が戦うのか。選手の根幹となる部分をテレビ画面からでも見られます。2週目に残りたいということに対して、どれぐらいの思いがあるのか、それがプレッシャーとなって崩れるのか、執着して乗り越えていくのか。色々な視点から試合を見てみてください。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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