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海外テニス

全豪オープン初戦敗退のキリオスが近い将来での引退を示唆。「またここでプレーすることはないと思う」<SMASH>

中村光佑

2025.01.14

早期引退の可能性について言及したキリオスだが「今後も努力を続けていく」とも語り、全豪オープンを後にした。(C)Getty  Images

早期引退の可能性について言及したキリオスだが「今後も努力を続けていく」とも語り、全豪オープンを後にした。(C)Getty Images

 男子テニス元世界ランク13位のニック・キリオス(オーストラリア)が、現在母国で開催中のテニス四大大会「全豪オープン」でのシングルス初戦敗退を受け、試合後の記者会見で「ここに戻ってくるかどうかはわからない」と近い将来での引退を示唆した。

 現在29歳のキリオスは度重なるケガを乗り越え、2025年シーズン開幕戦となったツアー大会「ブリスベン国際」(オーストラリア・ブリスベン/ハードコート/ATP250)で、約1年半ぶりに実戦に復帰。ところが今度は腹筋を痛め、全豪開幕前には自身のSNSで「腹部の超音波検査でグレード1の肉離れが見つかった」と報告していた。

 状態が心配されていた中で予定通り3年ぶりの全豪出場を果たしたキリオスだったが、現地1月13日に行なわれたジェイコブ・ファーンリー(イギリス)との1回戦では本来の実力を発揮できず。6-7 (3)、3-6、6-7 (2)で敗れ、残念ながら2回戦進出はならなかった。

 会見でキリオスはケガを押してプレーすることを決断した理由について「棄権という選択肢もあったが、(チケットを買うために)4~5時間並んでくれた人々の姿を見たら、試合をしないわけにはいかなかった」と説明。「コートに戻ってこられたことは信じられないくらい素晴らしいことだ。会場の雰囲気も最高だった」と久々に母国開催の四大大会で試合ができたことを喜んだ。
 
 しかし自身のパフォーマンスは理想とはほど遠かったとキリオスは振り返る。「今日は自分のベストなプレーを見せられなかった。フィジカル面で厳しいことはわかかっていたけど、いつも通りにサービスを打つこともできなかった」とコメント。その上でかねてから噂されていた早期引退の可能性について触れ、同郷の親友タナシ・コキナキス(71位)とのダブルスがまだ残っていることを踏まえて次のように発言した。

「俺は現実主義者だ。またここ(全豪)でシングルスをプレーすることはないと思う。ファンからの愛情は特別なもので、まだダブルスが残っている。今日コートに立ったのは、ファンや対戦相手をリスペクトしているからだ。ただ、またここに戻れるかはわからないから、今日はスタジアムに入る際にヘッドホンをつけずに出て、観客の声援を直接聞いて、特別な瞬間を味わいたかったんだ」

 それでも何とか光明を見出す意欲は持っている様子だ。最後には現時点での目標をこう明かした。

「俺のキャリアはまだ終わっていないが、ここまでは素晴らしい道のりだった。今はウインブルドンに出ることが俺の大きな目標だ。コンディションが良くなって、また観客を沸かせられたら、と思う。今後も努力を続けていくよ。楽しい時間を過ごしつつ、ありのままでいたいし、楽しんでいきたい」

 今回のキリオスの“引退示唆発言”はなかなか思い通りに行かない現状に対する投げやりの気持ちから出たもののようにも思われる。ケガが良くなればまた心境の変化が出てくるのではないだろうか。とにかく今はその時を気長に待ちたいものだ。

文●中村光佑

【動画】キリオスVSファーンリーの「全豪オープン」1回戦ハイライト

【画像】キリオスはじめ、全豪オープン2025で熱戦を繰り広げる男子選手たちの厳選写真!

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