世界反ドーピング機関(以下WADA)は1月20日に公式声明をリリースし、2024年9月にドーピング違反が発覚した女子テニス世界ランキング2位のイガ・シフィオンテク(ポーランド/23歳)の処分に対するスポーツ仲裁裁判所(以下CAS)への控訴を行なわないことを正式に発表した。
8月中旬の「シンシナティ・オープン」(アメリカ/WTA1000)参戦のため会場入りしたシフィオンテクはパリ五輪出場直後だったこともあってなかなか眠れず、早朝に予定されていた競技外検査の数時間前に時差ぼけおよび睡眠障害解消のため、母国ポーランドで製造されたメラトニン錠剤を2~3錠服用。
直後に受けた検査の結果が9月12日に届き、提出した2つのサンプルのうちの1つから微量ながらも禁止物質「トリメタジジン(血管を広げて血流を良くする物質)」が検出されたとの通知を受けた。
これを受けてシフィオンテク側はすぐさま異議申し立てを決行。最終的に陽性反応はメラトニン錠剤にトリメタジジンが混入したことが原因だと判明し、本人に重大な過失はなかったと認められた。周知の通り9月12日から10月4日までの約1カ月にわたる出場停止処分もすでに全面解除されている。
だが同じく禁止薬物が検出され軽い処分で済んだ男子世界1位のヤニック・シナー(イタリア)は、WADAによる不服申し立てを受け、現在CASで審議が行なわれている。
そのためシフィオンテクも同様の流れ(WADAの提訴)になる可能性があったが、ひとまず事なきを得た。WADAはシフィオンテクへの控訴を取り下げた理由について、「選手側の説明は十分なものであり、科学的および法的観点からも控訴を決行するのに合理的な根拠がないと判断された」と説明している。
現地1月20日に行なわれたテニス四大大会「全豪オープン」の女子シングルス4回戦で、ラッキールーザー(予選敗戦が本戦に繰り上がる救済措置)のエバ・リス(ベルギー/世界ランキング128位)に6-0、6-1で完勝しベスト8進出を決めたシフィオンテクは、WADAからの発表を受け、試合後の記者会見で次のように喜びのコメントを残した。
「決着がつき、前に進んで、ようやくこのプロセス(ドーピング問題)を終わらせることができるから満足している。私はただただプレーして、トーナメントに集中したいと思っていた。文書を読んで事件の詳細を知っている人なら誰でも理解してくれていると思う。
ロッカールームでも、みんなとても親切だった。他の女子選手たちも私のことを理解してくれている。今はもう、このことは忘れたい。もう何週間もツアーに出ていて、全て順調にきている」
なおシフィオンテクは3年ぶりの全豪ベスト4入りを懸け、現地22日に予定されている準々決勝で第8シードのエマ・ナバーロ(アメリカ/同8位)と対戦する。
文●中村光佑
【動画】シフィオンテクVSリスの「全豪オープン」4回戦ハイライト
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【関連記事】シフィオンテクが新シーズン開幕前に自身のドーピング問題に言及!「私が控訴される理由は何もない」<SMASH>
8月中旬の「シンシナティ・オープン」(アメリカ/WTA1000)参戦のため会場入りしたシフィオンテクはパリ五輪出場直後だったこともあってなかなか眠れず、早朝に予定されていた競技外検査の数時間前に時差ぼけおよび睡眠障害解消のため、母国ポーランドで製造されたメラトニン錠剤を2~3錠服用。
直後に受けた検査の結果が9月12日に届き、提出した2つのサンプルのうちの1つから微量ながらも禁止物質「トリメタジジン(血管を広げて血流を良くする物質)」が検出されたとの通知を受けた。
これを受けてシフィオンテク側はすぐさま異議申し立てを決行。最終的に陽性反応はメラトニン錠剤にトリメタジジンが混入したことが原因だと判明し、本人に重大な過失はなかったと認められた。周知の通り9月12日から10月4日までの約1カ月にわたる出場停止処分もすでに全面解除されている。
だが同じく禁止薬物が検出され軽い処分で済んだ男子世界1位のヤニック・シナー(イタリア)は、WADAによる不服申し立てを受け、現在CASで審議が行なわれている。
そのためシフィオンテクも同様の流れ(WADAの提訴)になる可能性があったが、ひとまず事なきを得た。WADAはシフィオンテクへの控訴を取り下げた理由について、「選手側の説明は十分なものであり、科学的および法的観点からも控訴を決行するのに合理的な根拠がないと判断された」と説明している。
現地1月20日に行なわれたテニス四大大会「全豪オープン」の女子シングルス4回戦で、ラッキールーザー(予選敗戦が本戦に繰り上がる救済措置)のエバ・リス(ベルギー/世界ランキング128位)に6-0、6-1で完勝しベスト8進出を決めたシフィオンテクは、WADAからの発表を受け、試合後の記者会見で次のように喜びのコメントを残した。
「決着がつき、前に進んで、ようやくこのプロセス(ドーピング問題)を終わらせることができるから満足している。私はただただプレーして、トーナメントに集中したいと思っていた。文書を読んで事件の詳細を知っている人なら誰でも理解してくれていると思う。
ロッカールームでも、みんなとても親切だった。他の女子選手たちも私のことを理解してくれている。今はもう、このことは忘れたい。もう何週間もツアーに出ていて、全て順調にきている」
なおシフィオンテクは3年ぶりの全豪ベスト4入りを懸け、現地22日に予定されている準々決勝で第8シードのエマ・ナバーロ(アメリカ/同8位)と対戦する。
文●中村光佑
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