いよいよ佳境を迎えているテニス四大大会「全豪オープン」（オーストラリア・メルボルン）は大会９日目の現地１月20日に男子シングルス４回戦が行なわれ、2025年シーズン開幕から好調を維持している38歳のガエル・モンフィス（フランス／世界ランキング41位）と第21シードのベン・シェルトン（アメリカ／同20位）が対戦。モンフィスが第４セット途中で棄権を表明し、シェルトンがベスト８進出を決めた。

　前哨戦の「ASBクラシック」（ニュージーランド・オークランド／ATP250）で1990年のATP（男子プロテニス協会）ツアー創設以来史上最年長でのツアー優勝を飾ったモンフィスは、勢いそのままに全豪でも快進撃。

　１回戦で同胞のジオバンニ・ペチ・ペリカール（同30位）、２回戦でダニエル・アルトマイヤー（ドイツ／同101位）を下すと、３回戦では第４シードのテイラー・フリッツ（アメリカ／同４位）に3-6、7-5、7-6 (1)、6-4で勝利。全豪がメルボルン・パークで開催されるようになった1988年以降で史上２番目の年長記録となる38歳４か月でのベスト16入りを果たしていた。

　シェルトンとの初顔合わせとなった４回戦は両者譲らない緊迫の展開に。２度のタイブレークを１つずつ制して１セットオールに持ち込まれるもこの日３度目のタイブレークをモンフィスが落とし、セットカウント1-2とリードを許す。何とか追いつきたいモンフィスだったが、前哨戦からの疲労が影響したのか、第４セット第１ゲームでブレークを喫した直後に途中棄権を表明し、無念の４回戦敗退となった。
  　それでも今大会を含め大ベテランのモンフィスの活躍ぶりには心を揺さぶられている人も多いはずだ。本人も38歳という年齢で結果を出せている現状には大いに満足しているようだが、数々の若手選手が台頭している中でさらなる飛躍を遂げる意欲も見せている。試合後の会見では次のようにコメントした。

「常にポジティブなことはある。自分の中にあるものを全てやり遂げることができているからうれしいし、まだ（色々と）学べていると感じている。僕のような年齢になると、プレーを続けるためには新しい時代に適応し、変化を加えなければならないことはわかっている。そんな中でももっと長く、成功するチャンスはあると思う」

　最後にモンフィスは、終始エネルギッシュなパフォーマンスを見せた対戦相手のシェルトンを「彼は素晴らしい青年。驚くべきエネルギーを持っている選手だ」と称賛した。

　緩急のついたショットと粘り強いディフェンスで、メルボルンのファンを大いに沸かせてくれたモンフィス。まだまだこの先も持ち前の身体能力を生かしてツアーを盛り上げていってほしい。

文●中村光佑

【動画】モンフィスVSシェルトンの「全豪オープン」４回戦ハイライト

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