昨年末に男子テニス元世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア/現6位)のコーチに就任したアンディ・マリー氏(イギリス/元1位)が英メディア『The Guardian』のインタビューに回答。先日行なわれた四大大会「全豪オープン」での新タッグ初戦を終え、指導者として多くの“学び”を得られたと明かした。
今回の全豪で男女を通じて史上最多となる四大大会25度目の優勝と節目のツアー100勝が懸かっていた37歳のジョコビッチは、昨夏のパリ五輪で引退した元王者のマリー氏のサポートを受けて順当に勝ち上がり、世界3位のカルロス・アルカラス(スペイン)との準々決勝も4-6、6-4、6-3、6-4で勝利。
しかしアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/2位)との準決勝は第1セットを落とした直後に左太ももの肉離れを理由に途中棄権し、残念ながらベスト4止まりとなった。ちなみにジョコビッチとマリー氏は今回の全豪までを契約期間と定めており、2人が今後もパートナーシップを継続するかどうかは今のところ未定だ。
現役時代に5度準優勝しているメルボルンで貴重な体験を得たマリー氏。これまで「常にコーチをするのは楽しいことだろうと思っていた」という彼は、「予想とは少し違っていた」ことも含め、選手の指導に携わってみたことで様々な発見があったと振り返る。自身がコーチとしての経験がまだまだ浅いことを踏まえ、次のように語った。
「間違いなく、自分自身もっと成長しなければならない点がある。例を挙げると、コーチング技術かな。選手だった時は(テニスの)基本的なことは理解していたが、経験豊富なコーチのように深く理解していたわけではなかった」
「これまで一緒に仕事をしてきた人々の中には、その能力に非常に長けた人がいた。元選手というのは戦略を理解するのが得意で、プレー経験があるから心理的な面もよくわかっていることが多い。だがコーチングにはそれ以外にも多くの要素がある。幾つか収穫はあったけど、私にはまだ学ぶべきことがたくさんある」
一般に選手の指導は非常に難しいと言われるが、選手としてコートに立つのと、ベンチから戦況を見守るのはどちらが難しいか問われたマリー氏は、「プレーする方が間違いなく難しい」と断言。その上でこう続けた。
「『ベンチから見ている方が難しい』という人には同意できない。コートにいると、どれほどストレスがかかるかはよくわかっている。コーチとして臨んだ今大会は、試合中に緊張を感じることはあったが、予想よりも気持ちを切り替えることができた。冷静にベンチに座りながら、コーチとしての仕事に集中していた。アルカラスとの試合の終盤や重要な場面では緊張したけど、プレーしている時ほどではなかった」
理想的な結果ではなかったかもしれないが、かつて最大のライバルだったジョコビッチとマリー氏が共闘している姿は多くのファンの心を惹きつけたはず。可能であれば今後も2人の協力関係が続いてほしいものだ。
文●中村光佑
【画像】3時間半を超える大激闘…!全豪OP男子シングルス準々決勝ジョコビッチ対アルカラスを厳選ショットで特集!
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今回の全豪で男女を通じて史上最多となる四大大会25度目の優勝と節目のツアー100勝が懸かっていた37歳のジョコビッチは、昨夏のパリ五輪で引退した元王者のマリー氏のサポートを受けて順当に勝ち上がり、世界3位のカルロス・アルカラス(スペイン)との準々決勝も4-6、6-4、6-3、6-4で勝利。
しかしアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/2位)との準決勝は第1セットを落とした直後に左太ももの肉離れを理由に途中棄権し、残念ながらベスト4止まりとなった。ちなみにジョコビッチとマリー氏は今回の全豪までを契約期間と定めており、2人が今後もパートナーシップを継続するかどうかは今のところ未定だ。
現役時代に5度準優勝しているメルボルンで貴重な体験を得たマリー氏。これまで「常にコーチをするのは楽しいことだろうと思っていた」という彼は、「予想とは少し違っていた」ことも含め、選手の指導に携わってみたことで様々な発見があったと振り返る。自身がコーチとしての経験がまだまだ浅いことを踏まえ、次のように語った。
「間違いなく、自分自身もっと成長しなければならない点がある。例を挙げると、コーチング技術かな。選手だった時は(テニスの)基本的なことは理解していたが、経験豊富なコーチのように深く理解していたわけではなかった」
「これまで一緒に仕事をしてきた人々の中には、その能力に非常に長けた人がいた。元選手というのは戦略を理解するのが得意で、プレー経験があるから心理的な面もよくわかっていることが多い。だがコーチングにはそれ以外にも多くの要素がある。幾つか収穫はあったけど、私にはまだ学ぶべきことがたくさんある」
一般に選手の指導は非常に難しいと言われるが、選手としてコートに立つのと、ベンチから戦況を見守るのはどちらが難しいか問われたマリー氏は、「プレーする方が間違いなく難しい」と断言。その上でこう続けた。
「『ベンチから見ている方が難しい』という人には同意できない。コートにいると、どれほどストレスがかかるかはよくわかっている。コーチとして臨んだ今大会は、試合中に緊張を感じることはあったが、予想よりも気持ちを切り替えることができた。冷静にベンチに座りながら、コーチとしての仕事に集中していた。アルカラスとの試合の終盤や重要な場面では緊張したけど、プレーしている時ほどではなかった」
理想的な結果ではなかったかもしれないが、かつて最大のライバルだったジョコビッチとマリー氏が共闘している姿は多くのファンの心を惹きつけたはず。可能であれば今後も2人の協力関係が続いてほしいものだ。
文●中村光佑
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