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海外テニス

「本当にケガをしたのか?」 “疑惑の声”にジョコビッチが皮肉。MRI画像を公開し「スポーツ傷害の専門家の皆さんのために」<SMASH>

中村光佑

2025.01.26

ズベレフとの全豪OP準決勝でケガにより途中棄権したジョコビッチ。ケガに対して疑惑の声が上がったが、MRI画像を公開し損傷を明らかにした。(C)Getty Images

ズベレフとの全豪OP準決勝でケガにより途中棄権したジョコビッチ。ケガに対して疑惑の声が上がったが、MRI画像を公開し損傷を明らかにした。(C)Getty Images

 今年5月に38歳を迎える男子テニス界のスーパースター、ノバク・ジョコビッチ(セルビア/元世界ランキング1位/現7位)。最高峰の四大大会ではこれまでに24度の優勝を経験しているが、うち10勝は「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/ハードコート)でマークしたものだ。昨年末に新コーチとして招聘した盟友のアンディ・マリー氏(イギリス/元1位)との新タッグ初戦となった今年の全豪でも、優勝候補の一角だったことは言うまでもない。

 しかし結果はベスト4で敗退となり、男女を通じて史上最多となる四大大会25度目の優勝はお預けに。しかも現地1月24日に行なわれたアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/世界ランク2位)との準決勝では、タイブレークにもつれ込んだ第1セットを落とした直後に左太ももの肉離れによる途中棄権を余儀なくされたのだから、なおさら心配である。

 ちなみに四大大会におけるジョコビッチの途中棄権は2019年9月の全米オープン4回戦以来約5年4カ月ぶり。世界最高峰の舞台で彼が試合中にリタイアをするというのは非常に珍しいことなのだ。

 予想外の結末を受けて一部の観客からブーイングを浴びたジョコビッチ。これに関しては準決勝という上位ステージで大会屈指の好カードが実現したからこそ、最後まで試合を見たかったというファンのやるせない気持ちが込められていたのだろう。
 
 それだけでは終わらない。スペインのテニス専門サイト『Punto de Break』など複数の海外メディアによれば、今度は「本当にケガをしたのか?」とジョコビッチに対する疑惑の声が上がっているという。その理由を想像するなら、棄権を決断するまでにズベレフと何度もロングラリーを繰り広げたことや、21年の全豪で腹斜筋断裂のケガを抱えながら優勝したことなどが関係しているのかもしれない。

 だが確実にズベレフ戦の前から棄権の予兆はあった。カルロス・アルカラス(スペイン/同3位)との準々決勝は勝利こそしたものの、第1セットではしきりに足を気にする仕草を見せていた。準決勝までは2日間の休みがあったジョコビッチだったが、「アルカラスとの試合を終えてから準決勝の1時間前までボールを全く打たなかった」という。明らかに厳しい状況だったのは間違いないだろう。

 それでも鳴りやまない“疑惑の声”。見かねたジョコビッチがとうとう行動に出た。現地1月25日に公式X(@DjokerNole)を更新し、左太ももがひどく損傷したことを示すMRI画像を公開したのだ。同投稿には「スポーツ傷害の“専門家の皆さん”のために、この画像をここに残しておこうと思った」という皮肉の言葉が綴られている。

 ズベレフとの試合を終えた後の会見では「全豪のコートに立つのは今回が最後になる可能性もある」と今年限りでの引退を匂わせつつ、「様子を見ていくしかない。このままプレーを続けていきたいと思っている」と現役続行への意欲も示したジョコビッチ。状況が状況だけに本人も今後のことを明確には答えられないのだろうが、とにかく今は早い回復を願いたい。

文●中村光佑

【画像】ジョコビッチが左太ももの損傷を示すMRI画像を公開

【画像】全豪オープン2025で熱戦を繰り広げるジョコビッチら男子選手たちの厳選写真!

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