プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は米国を拠点に活動し、サウスポーから繰り出すキレのあるショットで世界と渡り合う相川真侑花選手の最終回。ペースを変えるバックハンドスライスについて教えてくれた。
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バックハンドスライスは、ラリーのペースを変えたい時に混ぜたり、相手のボールが低くて浅い時に守備的に使ったりします。この写真はポジションがベースライン上なので、チェンジオブペースですね。
スライスを使い始めたのは15~16歳の頃からです。それまでは強打のみでスライスは打てませんでしたが、武器を増やすために覚えました。
技術的に意識しているポイントは、フラット気味に当てることです。スライスはボールの下をえぐると上に浮いてしまいます。低く伸びていくスライスを打つには、フラット気味に面を当てて、そこから下に抜いていくのがコツです。この写真を見ると、インパクトではほぼフラットに当たっていていいですね(写真5コマ目)。
ただ、ラケットヘッドが落ちるのが早く(6コマ目)、かなり落ちてから上げているのが気になります(7~8コマ目)。これだとカットの力が強すぎて、ボールがバウンド後に止まりやすいんです。もっと前に抜けるようにスイングできると、滑る球質になります。
ボールを滑らせるには、右足(後ろ足)のセッティングも大事です。右足でボールに入り(2コマ目)、しっかりタメてから左足を踏み込むと(3コマ目)パワーが出ます。
私も調子が悪い時はいきなり左足を踏み込んでしまいがちなんです。左足を横に出して止まり、軸足がないまま当てるだけになるので、ボールが浮いてしまいます。
あと意識しているのは身体を開かないことです。身体が回ると余計にボールの下を削って、パワーが伝わりません。昔はそういう癖がありましたが、今は身体を残して打てていますね(7~8コマ目)。
【プロフィール】相川真侑花/あいかわまゆか
1998年4月2日、神奈川県生まれ。162cm、左利き。全国小学生優勝後アメリカにテニス留学し、全仏Jr複4強などの戦績を残す。プロ転向後も米国を拠点に活動し、2022年にITFツアーで2度優勝。JTAランクを16位まで上げる。サウスポーを生かしたキレのあるショットが武器。テニスユナイテッド所属。
構成●スマッシュ編集部
取材協力●SBCドリームテニスツアー2022
※『スマッシュ』2023年7月号より再編集
【連続写真】厚く当ててキレを出した相川真侑花のバックハンドスライス『30コマの超分解写真』
【関連記事】相川真侑花直伝! ダウンザラインへのカウンターは「モーグルステップ」でボールの外側を捉える!【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>
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スライスを使い始めたのは15~16歳の頃からです。それまでは強打のみでスライスは打てませんでしたが、武器を増やすために覚えました。
技術的に意識しているポイントは、フラット気味に当てることです。スライスはボールの下をえぐると上に浮いてしまいます。低く伸びていくスライスを打つには、フラット気味に面を当てて、そこから下に抜いていくのがコツです。この写真を見ると、インパクトではほぼフラットに当たっていていいですね(写真5コマ目)。
ただ、ラケットヘッドが落ちるのが早く(6コマ目)、かなり落ちてから上げているのが気になります(7~8コマ目)。これだとカットの力が強すぎて、ボールがバウンド後に止まりやすいんです。もっと前に抜けるようにスイングできると、滑る球質になります。
ボールを滑らせるには、右足(後ろ足)のセッティングも大事です。右足でボールに入り(2コマ目)、しっかりタメてから左足を踏み込むと(3コマ目)パワーが出ます。
私も調子が悪い時はいきなり左足を踏み込んでしまいがちなんです。左足を横に出して止まり、軸足がないまま当てるだけになるので、ボールが浮いてしまいます。
あと意識しているのは身体を開かないことです。身体が回ると余計にボールの下を削って、パワーが伝わりません。昔はそういう癖がありましたが、今は身体を残して打てていますね(7~8コマ目)。
【プロフィール】相川真侑花/あいかわまゆか
1998年4月2日、神奈川県生まれ。162cm、左利き。全国小学生優勝後アメリカにテニス留学し、全仏Jr複4強などの戦績を残す。プロ転向後も米国を拠点に活動し、2022年にITFツアーで2度優勝。JTAランクを16位まで上げる。サウスポーを生かしたキレのあるショットが武器。テニスユナイテッド所属。
構成●スマッシュ編集部
取材協力●SBCドリームテニスツアー2022
※『スマッシュ』2023年7月号より再編集
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