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「まずは米国でやってみてその後を見ていく」と語るジョコビッチ。契約延長のマリーを帯同してマスターズ2連戦へ<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.03.05

全豪オープンでマリー(左)のコーチングを受けたジョコビッチ(右)。2人の契約は継続し、アメリカのマスターズ2連戦でもタッグを組んで戦う。(C)Getty Images

 ノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク7位)と、昨年のパリ五輪後に引退したアンディ・マリー(イギリス)。共に男子テニスの元世界1位であり、長年のライバルだった2人のタッグが、「全豪オープン」に続いて3月のマスターズ2連戦でも見られることが明らかになった。

 マネジメントチームによると、マリーは3月3日にアメリカへ向かい、インディアンウェルズでジョコビッチと合流。ジョコビッチは引き続きマリーをコーチにつけ、「BNPパリバ・オープン」(3月5日~16日/アメリカ・インディアンウェルズ/ハードコート/ATP1000)、そして「マイアミ・オープン」(3月19日~30日/アメリカ・マイアミ/ハードコート/ATP1000)を戦う。

 昨年11月にマリーのコーチ就任を電撃的にアナウンスしたジョコビッチは、1月の全豪オープンで準決勝に勝ち上がったもののハムストリングの負傷のため棄権。2月の「カタール・オープン」(ATP500)ではマリー不在のなか1回戦でマテオ・ベレッティーニ(イタリア)に敗退。それでもカタールで、マリーとのコーチ契約の継続を明かしていた。

「コラボレーションを続けたいという希望を伝えたので、彼が承諾してくれたのは本当にうれしい。どのくらい一緒に練習するかは未定だけど、まずはアメリカでやってみて、それから幾つかクレーコートの大会に出場して、その後どうなるかを見ていくことで合意した」
 
 ジョコビッチにとって、この2連戦は大きな歴史を作るチャンスだ。インディアンウェルズでは過去5回優勝しており、これはロジャー・フェデラーと並ぶ最多タイ。マイアミも過去6回優勝で、これはアンドレ・アガシに並ぶ最多タイ記録だ。両大会とも、次に勝てば単独トップに躍り出る。

 ただし、3年連続で"サンシャインダブル"(この2大会を続けて優勝すること)を達成した2016年を最後に、王者はどちらも取っていない。20年はコロナ禍で開催中止、21年はジョコビッチが棄権し、22年と23年はワクチン未接種のため入国が許可されなかった。そして昨年のインディアンウェルズでは、3回戦でラッキールーザーのルカ・ナルディ(イタリア)に敗れると、マイアミは出場を取り止めたのだ。

 コーチとしての経験はまだ乏しいマリーだが、かつてのライバルとしての視点を生かしたコーチングや、入念な分析、周到な準備などの仕事ぶりでジョコビッチの厚い信頼を得た。この2大会では2人合わせて優勝13回。対戦相手にとっては、これほどやっかいなタッグもないだろう。

構成●スマッシュ編集部

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