今年の「全豪オープン」で男子テニス元世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア/現7位)のコーチを務めたアンディ・マリー(イギリス/元1位)が、ポッドキャスト『Sporting Misadventures』に登場。ジョコビッチをサポートする上で大切にしていることや、ビッグ3でコーチをしてみたかった選手について明かした。
マリーがジョコビッチのコーチに就任したのは昨年末。世界を驚かせたタッグは、全豪オープン初戦から順調に勝ち上がり、準々決勝でカルロス・アルカラス(スペイン/同3位)に逆転勝利。アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同2位)との準決勝はケガのため途中棄権に終わったものの、まずまずの初陣となった。
ポッドキャストで明らかになったのは、世界の頂点でしのぎを削ったライバルが一方をコーチするという稀有な実例の興味深い考察だ。マリーがジョコビッチのコーチとして重視していたのは、ライバルとしての視点だった。
「これが間違っていた、ではなく、これが正しいっていうこと。ツアーで対戦した時、彼はあれこれやってきて、戦うのがとても難しい相手だった。何よりも、彼が良いプレーをしている時に、ポジティブな面を強調することに集中した。『君と対戦するとこんな感じがする。君のテニスで気になるところはこれだ』って。選手としては、自分のショットの威力やそれが実際に相手へ与える影響、相手がどう感じているかなどを完全に理解することはできないんだ。自分の現役時代にもし、ノバクやロジャー(フェデラー)、ラファ(ナダル)に僕のテニスのどこが彼らを苦しめているのかを聞けたなら、それは大きな助けになったはずだ」
何が相手の脅威となっているのか。自分よりも対戦相手の方がよくわかっているということか。だからこそマリーは、コーチ経験はなくても、ツアーで10年以上もジョコビッチと戦ってきた経験がそれを補ってくれるだろうと考えている。
「彼に独自の視点を与えられると思う。僕は彼のテニスを深く研究していただけでなく、コート上でも体験したからね。(ジョコビッチと)そんな会話をしてきたけど、彼にとって前向きなものであったことを願っているよ」
さらにマリーは、ビッグ3のメンバーのなかで他にコーチについてみたかったのは誰かと問われると、まずはジョコビッチの優れた点を指摘した。
「彼らはとても優秀だから、明確な指示さえあれば誰がコーチをするかは問題ではない。(普通の選手は)戦略や進むべき道を教えても、誰もが要求通りに実行できるわけじゃない。僕にとっては、それがノバクの最も素晴らしい点なんだ。僕がうまくいくと思う戦略を伝えたら、彼は全てを実行してみせた。技術力、打ち方、動き方、どこにも弱点がないからだ」
そして、話はロジャー・フェデラー(スイス)に及ぶ。
「ロジャーをコーチするのは楽しかっただろうと思う。彼のやることは全てが天性――その裏には多くの努力があるのでそう言いたくはないけれど――に見えるからね。彼はあらゆるショットを備えていた。彼ならどんな指示を出しても実行できただろう」
マリーの手腕にジョコビッチも満足感を示しており、『TIMES』紙によれば、2人の契約は「ウインブルドン」(6月30日~7月13日)まで更新された模様。四大大会24回の優勝者は、その強みを知り尽くしたコーチと共に悲願達成を目指すことになりそうだ。
構成●スマッシュ編集部
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マリーがジョコビッチのコーチに就任したのは昨年末。世界を驚かせたタッグは、全豪オープン初戦から順調に勝ち上がり、準々決勝でカルロス・アルカラス(スペイン/同3位)に逆転勝利。アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同2位)との準決勝はケガのため途中棄権に終わったものの、まずまずの初陣となった。
ポッドキャストで明らかになったのは、世界の頂点でしのぎを削ったライバルが一方をコーチするという稀有な実例の興味深い考察だ。マリーがジョコビッチのコーチとして重視していたのは、ライバルとしての視点だった。
「これが間違っていた、ではなく、これが正しいっていうこと。ツアーで対戦した時、彼はあれこれやってきて、戦うのがとても難しい相手だった。何よりも、彼が良いプレーをしている時に、ポジティブな面を強調することに集中した。『君と対戦するとこんな感じがする。君のテニスで気になるところはこれだ』って。選手としては、自分のショットの威力やそれが実際に相手へ与える影響、相手がどう感じているかなどを完全に理解することはできないんだ。自分の現役時代にもし、ノバクやロジャー(フェデラー)、ラファ(ナダル)に僕のテニスのどこが彼らを苦しめているのかを聞けたなら、それは大きな助けになったはずだ」
何が相手の脅威となっているのか。自分よりも対戦相手の方がよくわかっているということか。だからこそマリーは、コーチ経験はなくても、ツアーで10年以上もジョコビッチと戦ってきた経験がそれを補ってくれるだろうと考えている。
「彼に独自の視点を与えられると思う。僕は彼のテニスを深く研究していただけでなく、コート上でも体験したからね。(ジョコビッチと)そんな会話をしてきたけど、彼にとって前向きなものであったことを願っているよ」
さらにマリーは、ビッグ3のメンバーのなかで他にコーチについてみたかったのは誰かと問われると、まずはジョコビッチの優れた点を指摘した。
「彼らはとても優秀だから、明確な指示さえあれば誰がコーチをするかは問題ではない。(普通の選手は)戦略や進むべき道を教えても、誰もが要求通りに実行できるわけじゃない。僕にとっては、それがノバクの最も素晴らしい点なんだ。僕がうまくいくと思う戦略を伝えたら、彼は全てを実行してみせた。技術力、打ち方、動き方、どこにも弱点がないからだ」
そして、話はロジャー・フェデラー(スイス)に及ぶ。
「ロジャーをコーチするのは楽しかっただろうと思う。彼のやることは全てが天性――その裏には多くの努力があるのでそう言いたくはないけれど――に見えるからね。彼はあらゆるショットを備えていた。彼ならどんな指示を出しても実行できただろう」
マリーの手腕にジョコビッチも満足感を示しており、『TIMES』紙によれば、2人の契約は「ウインブルドン」(6月30日~7月13日)まで更新された模様。四大大会24回の優勝者は、その強みを知り尽くしたコーチと共に悲願達成を目指すことになりそうだ。
構成●スマッシュ編集部
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