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海外テニス

スタンドも大興奮!世界349位の綿貫陽介が元10位ティアフォーをストレートで破り「BNPパリバ・オープン」ベスト16進出<SMASH>

内田暁

2025.03.11

四大大会に次ぐグレードを誇る「BNPパリバ・オープン」で快進撃を続ける綿貫陽介は「最もランキングの低い同大会4回戦進出者」の記録も更新した。(C)Getty Images

四大大会に次ぐグレードを誇る「BNPパリバ・オープン」で快進撃を続ける綿貫陽介は「最もランキングの低い同大会4回戦進出者」の記録も更新した。(C)Getty Images

 砂漠に広がるオアシスのような町に、巨大な花のごとく咲く、世界で2番目に大きなテニス専用アリーナ――。その周囲を飾る巨大モニターやLED電光掲示板は、大会のイメージカラーであるブルーやピンク、イエローの光をビビッドに放ち、まさに百花繚乱といった風情だ。

 米国カリフォルニア州インディアンウェルズで開催中のテニスツアー「BNPパリバ・オープン」男子シングルス3回戦。見た目にも鮮やかなそのコートで、綿貫陽介は華やかに舞い、約1万人の観客を魅了し、6-4、7-6(6)の勝利をつかみ取った。

 対戦相手は地元アメリカの人気選手、フランシス・ティアフォー(世界ランキング17位)。それにもかかわらず第2セットの中盤では、スタンドから「ワタヌキ」コールが湧き起こる。綿貫が飛び跳ね、両翼から鋭いウイナーを叩き込むたび、スタンドの前列に陣取る少年たちが、熱狂的に飛び跳ねた。

 さらに綿貫は、周辺情報すらにぎやかだ。トスの前に胸を広げ、歩きながら打つようなサービスフォームは、中継する『テニスチャンネル』が「ツアーで最もユニークなサーブ?」と評するほどに話題になった。
 
 349位の世界ランキングは、トミー・ハースが2004年に882位で成した以来の、「最もランキングの低い同大会4回戦進出者」を記録する。ちなみにそのハースは、現在のトーナーメントディレクター。綿貫とティアフォーのナイトマッチを、スタンドから見守っていた。

 そしてこの試合中、ソーシャルメディア等でも話題になったのが、「ペプシ」だ。

 第2セット、ブレークダウンして迎えたゲームカウント4-5の場面で、綿貫は審判に「ペプシある?」と尋ねたのだ。果たして彼は要求通り、アメリカ発祥の甘い炭酸飲料水をゲット。さらには手にしたペプシ缶のロゴを、スタンドに示すようなポーズも取った。

 そうして、直後のリターンゲーム――。綿貫がエネルギッシュに飛び跳ね、バックのリターンウイナーでブレークし咆哮を上げると、ソーシャルメディア等には「ペプシのスポンサー獲得確実か!?」の文字が躍った。
 
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