現在行なわれている男子テニスのマスターズ1000シリーズ「BNPパリバ・オープン」(3月5日~16日/アメリカ・インディアンウェルズ/ハードコート)に出場したユーゴ・アンベール(フランス/世界ランク19位/26歳)が、北米シリーズに専属シェフを帯同していることを明かした。2回戦で錦織圭(同76位)に快勝した後、3回戦では第12シードのホルガー・ルネ(デンマーク/同13位)に逆転負けを喫したが、「マイアミ・オープン」へと続くマスターズ連戦に万全の体制を築いている。
現在フランス人選手として最上位に立つスターは、『レキップ』紙の取材に対して新メンバーをアメリカに連れてきたこと、さらに自分の体質について語っている。
「シェフを雇うことにした。アメリカではいつも食べ物に困っていた。主に質の問題でね。レストランではプラスチックのようなサラダが出てきて、何度かお腹の調子が悪くなった。僕はこの問題にとても敏感で、栄養にもっと気を配るようになった。それにグルテン不耐症だから、症状が出ないように細心の注意を払わなければならないんだ」
食物の不耐症(過敏症)とは、特定の食物を分解するための酵素が不足していたり、食物中の化学物質を処理できなかったりし、食物を消化できない症状のこと。一般的に食物アレルギー反応のように深刻ではないが、腹痛や倦怠感、胃ケイレンなどを引き起こす。そこで専属シェフの食事により、ツアー中の栄養を正しく管理しようという狙いだ。
また、テニス界で食中毒が発生したことも、アンベールの判断と無関係ではないだろう。2月中旬には「カタール・エクソンモービル・オープン」の準々決勝でダニール・メドベージェフ(ロシア/現6位)が途中棄権。食中毒だったことが発表された。
同下旬には「アビエルト・メキシコ・テルセル・HSBC」でもルネが食中毒に見舞われ試合を途中リタイア。キャスパー・ルード(ノルウェー/同5位)、トミー・ポール(アメリカ/同11位)も胃の不調などの理由で棄権を余儀なくされた。
不慣れな土地を転々としながら戦うテニスツアーにおいて、日々の食事や栄養管理は非常に重要な要素だ。外からは贅沢にも見える「専属シェフ」も、選手が生き抜くための合理的かつ実用的な“投資”なのだろう。
構成●スマッシュ編集部
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食物の不耐症(過敏症)とは、特定の食物を分解するための酵素が不足していたり、食物中の化学物質を処理できなかったりし、食物を消化できない症状のこと。一般的に食物アレルギー反応のように深刻ではないが、腹痛や倦怠感、胃ケイレンなどを引き起こす。そこで専属シェフの食事により、ツアー中の栄養を正しく管理しようという狙いだ。
また、テニス界で食中毒が発生したことも、アンベールの判断と無関係ではないだろう。2月中旬には「カタール・エクソンモービル・オープン」の準々決勝でダニール・メドベージェフ(ロシア/現6位)が途中棄権。食中毒だったことが発表された。
同下旬には「アビエルト・メキシコ・テルセル・HSBC」でもルネが食中毒に見舞われ試合を途中リタイア。キャスパー・ルード(ノルウェー/同5位)、トミー・ポール(アメリカ/同11位)も胃の不調などの理由で棄権を余儀なくされた。
不慣れな土地を転々としながら戦うテニスツアーにおいて、日々の食事や栄養管理は非常に重要な要素だ。外からは贅沢にも見える「専属シェフ」も、選手が生き抜くための合理的かつ実用的な“投資”なのだろう。
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