専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

パリ五輪金メダルペアに快勝した加藤未唯!“サイドの入れ替え”、“エラーニ狙いの策”が功を奏し「しっかりプレーできて勝てた」<SMASH>

内田暁

2025.03.25

ブクサ(左)とのペアでマイアミOPに挑んでいる加藤(右)、2回戦ではエラーニ/パオリーニの強豪ペアにストレートで勝利を収めた。写真:内田暁

ブクサ(左)とのペアでマイアミOPに挑んでいる加藤(右)、2回戦ではエラーニ/パオリーニの強豪ペアにストレートで勝利を収めた。写真:内田暁

「先に、エラーニの元気をなくさせたいですね」

 対戦を控えて加藤未唯は、次なる、策をそう明かしていた。

 現在開催中の女子テニスツアーのWTA1000「マイアミ・オープン」のダブルス2回戦。第3シードのサラ・エラーニ/ジャスミン・パオリーニ(イタリア)組との対戦を見据えた言葉である。
 
 今シーズンの加藤は、1月の「全豪オープン」で、レナタ・サラスア(メキシコ)と組んでベスト8。

「良いグランドスラムだった」と笑顔で大会を後にしたが、その後、クリスティーナ・ブクサ(スペイン)と組んで出場したWTAツアーでは、5大会連続で初戦敗退を喫した。

 プレーそのものは悪くない。ただ、“ノーアドバンテージ”および“3セット目は10ポイントタイブレーク”というWTAツアールールに行く手を阻まれる。ブクサとのペアでは、通常のタイブレークとマッチタイブレーク合わせて6度のタイブレークを経験し、その全てを落とした。最初は、そこまで気に留めなかっただろう。だが取れない事実が続くと、タイブレークに対する嫌な感覚が心と身体に沈殿する。

「先週のインディアンウェルズ(BNPパリバ・オープン)では、ファーストセットはすっごく良いプレーをした。セカンドも悪くなかったけれど、相手も上がってきてファイナルに入った時、『またか』という気持ちになってしまった」

 そんなもどかしさを抱えて迎えた、今大会だった。
 
 その初戦を数日後に控えた練習時、「何かを変えないと」と思った加藤は、パートナーのブクサに、「サイドを変えてみない?」と提案したという。スピンを掛けたフォアが持ち味の加藤は、フォアサイドの方が自分の武器が生きる。ただ「リターンに関しては、バックの方が打ちやすい」という思いもあった。

 実際に練習でバックサイドをやってみた時、リターンの好感触に加え、ストロークでも回り込みのフォアがしっかり使えると感じる。そこで急遽、今大会はサイドを入れ替えて挑んだ。

 結果的には、それがハマっただろう。初戦のクイン・グリーソン/イングリッド・マルチンス(アメリカ/ブラジル)戦では、「そこまで良いプレーでなかったが、大事なところがしっかり取れた」ため6-3、6-4で久々の勝利。

 そして第3シードとの対戦に向けて明かしたプランが、冒頭の言葉である。
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号