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障がいを持った若者が「テニスストリンガー育成プロジェクト」を通じて男女日本代表チームのサポートへ<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.05.03

障がいを持った若者を支援するNPO法人T&Eが、日本テニス協会の男子ナショナルチーム(写真下)に続いて女子チーム(上)もストリング面でサポートすることが決まった。写真:THE DIGEST写真部

 日本テニス協会は今年3月10日、男子ナショナルチームが『NPO法人T&E』のサポートを受けることを発表していたが、5月2日には女子ナショナルチームも同法人のサポートを受けることが決定した。

 NPO法人T&Eは、障がいを持った若者がスポーツ用品のメンテナンス技術を習得するためにプロの技術者から講習を受ける「テニスストリンガー育成プロジェクト」に取り組む若年層専門就労移行支援事業所 特定非営利活動法人。

 T&Eの名前は「Trial and Error」(トライアル&エラー=試行錯誤)から由来しており、30年以上前に思春期青年期精神科医療に携わる多くの医師、看護師、心理職、学生がチームとなり、課題を抱える若者たちが社会で生きていくための力を試行錯誤しながら習得していく場として立ち上げられたもの。事業内容としては、就労移行支援事業、就労定着支援事業、社会貢献プロジェクトなどがある。
 
「デビスカップ」(男子国別対抗戦)や「ビリー・ジーン・キング・カップ」(女子国別対抗戦)をはじめ、四大大会やツアー大会での上位進出を目指す男女ナショナルチームは今後、拠点である「味の素ナショナルトレーニングセンター」(東京・北区)の屋内テニスコート等における練習の際、「テニスストリンガー育成プロジェクト」によって育成されたストリンガーに、ラケットのストリングを張ってもらうことになる。

 ボールと直接コンタクトするストリングは、プレーの出来を左右するとても重要なアイテムのひとつ。そのためストリングを張り上げるには非常に高いスキルが求められる。

 ましてや日本を代表するトッププロたちの商売道具でもあるストリングとなれば、より高精度な仕上がりが求められるはず。決して簡単なチャレンジではないが、それだけにやりがいもあるはず。「テニスストリンガー育成プロジェクト」で腕を磨いた若きストリンガーたちの今後の活躍に期待したい。

構成●スマッシュ編集部

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