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復調のルードがマドリードOPでマスターズ1000初優勝!キャリア最大のタイトルに「本当に最高の気分」と歓喜<SMASH>

中村光佑

2025.05.05

マドリード・オープン決勝で世界6位のドレイパーに勝利したルード。ノルウェー人選手のマスターズ優勝は男子ツアー史上初の快挙となった。(C)Getty Images

 男子テニスツアー公式戦「ムチュア・マドリード・オープン」(4月23日~5月4日/スペイン・マドリード/クレーコート)は大会最終日の現地4日にシングルス決勝を実施。第14シードで世界ランキング15位のキャスパー・ルード(ノルウェー)が、第5シードで同6位のジャック・ドレイパー(イギリス)を7-5、3-6、6-4で下し、四大大会に次ぐグレードのマスターズ1000シリーズでの初優勝並びにツアー13勝目を飾った。

 これまでに四大大会のシングルスで3度の準優勝を経験し、2022年9月にはキャリアハイの世界2位をマークするなど素晴らしい活躍を見せてきた26歳のルード。しかしここ最近は早期敗退が目立っており、ディフェンディングチャンピオンとして参戦した4月中旬の「バルセロナ・オープン」(クレー/ATP500)でも準々決勝敗退を喫し、昨年2月以来約1年2カ月ぶりにトップ10から陥落していた。

 だからこそ今大会での優勝は、ルードにとって非常に価値が大きい。過去2度ストレートで敗れていたマスターズ決勝で3度目の正直を果たすとともに、大会後に更新される世界ランキングで早くもトップ10復帰(7位に浮上)が確定。4位のテイラー・フリッツ(アメリカ)、元世界1位で現10位のダニール・メドベージェフ、6位のドレイパーとトップ10選手3人を破る見事なパフォーマンスで復調を印象づけた。

 決勝では第3ゲームで2連続ダブルフォールトを犯してサービスダウンを喫すなど序盤こそ硬さが見られたルードだったが、徐々にリズムをつかみ、ドレイパーのサービング・フォー・ザ・セットとなった第10ゲームで起死回生のブレークバックに成功。勢いに乗って第12ゲームでもブレークを奪い、接戦の末に第1セットを先取した。
 
 ルードは第2セットで2度ブレークを許してセットオールに持ち込まれるも、勝負のファイナルセットではベースラインでの打ち合いで抜群の安定感を見せ、第5ゲームで値千金のブレークを奪取。以降のルードは自身のサービスゲームで失点をわずか3に抑え、2時間29分の熱戦をものにした。

 ちなみにノルウェー人選手のマスターズ優勝は男子ツアー史上初の快挙。試合後のインタビューでルードは対戦したドレイパーの目覚ましい活躍を称えつつ、キャリア最大のタイトルを獲得したことへの喜びを次のように語った。

「本当に最高の気分。ここまで長い道のりだった。マスターズ優勝は若い頃から夢見ていた大きな目標の一つだったから、達成できて本当に信じられない気持ちだ。今日の試合内容にも満足している。

 ジャックは今年ずっと素晴らしいプレーを続けていて、特にこの大会では信じられないほどの出来だったから、自分が最高のプレーを出せなければ、コートで翻弄されることはわかっていた」

 一方敗れたドレイパーはクレーでの初タイトル獲得はならず。それでも大会後の世界ランキングでは自己最高位の5位に浮上することが決まった。

文●中村光佑

【動画】ルードVSドレイパ―の「ムチュア・マドリード・オープン」決勝ハイライト

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