海外テニス

ジョコビッチが激闘の末にティームを下し全豪連覇!自身が持つ歴代最多優勝記録を8に伸ばす【全豪オープン決勝】

スマッシュ編集部

2020.02.02

大会史上最多となるV8を達成したジョコビッチは、今回の勝利により世界ランク1位返り咲きも確定した。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 今年最初のグランドスラムである全豪オープン。大会最終日となる2月2日(日)は男子シングルス決勝が行なわれ、第2シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、第5シードのドミニク・ティーム(オーストリア)を6-4、4-6、2-6、6-3、6-4のファイナルセットの末に撃破。大会を連覇すると同時に、同大会史上最多となるV8を成し遂げた。

 第1セットは動きに硬さの見られるティームが劣勢に立たされ、最初のサービスゲームを落としてしまう。その後、ティームはラリー戦で互角に立ち回ったものの、セカンドサービスのポイント獲得率が20%と振るわず。4-5で迎えた自身のサービスゲームを、最後はダブルフォールとで落としてセットを失う。

 だが、第2セットに入ると形成は逆転。それまで高精度のフォアとバックで巧みにコースを打ち分けミスを誘っていたジョコビッチに対し、ティームは得意のフォアの強打を軸に早い展開に持ち込んでゲームの流れを引き寄せていく。時間内にサービスが打てず警告を受けるなどペースを乱す王者とは対象的に、踏み込んだアクセルを緩めないティームがこのセットを取り返す。勢いに乗る挑戦者は湧き上がる声援に背中を押されるように、続く第3セットも4ゲームを連取。付け入る隙を与えずに6-2で奪ってみせた。
 
 このまま新チャンピオン誕生かと思われた第4セット、再び試合の流れが変わる。後のないジョコビッチは自身のサービスをきっちりとキープすると、勢いのあるティームのボールに対して1本1本丁寧に返しながら虎視眈々とチャンスをうかがう。すると第4セットの第8ゲームで訪れた2度目のブレークポイントを取り切り、続くサービスゲームをキープしてセットカウントを2-2に引き戻したのである。

 息を吹き返した王者は強かった。ここが潮目とばかりにギアをアップしたジョコビッチは、ファイナルセットの第3ゲームでブレークに成功すると一気に加速。必死に食い下がるティームを6-4で振り切り、3時間59分に及ぶ激闘にピリオドを打った。

 グランドスラム決勝にふさわしい、どちらが勝ってもおかしくない激闘。頂上にあと一歩届かなかったティームは「ノバクのおかげで男子テニス界は高いレベルを維持するに至っている。今日は力が足りなかったけど、近いうちリベンジしたい」と悔しさを滲ませながらも王者へのリスペクトを口にした。そして再び頂点に立ったジョコビッチは「今日はタフな試合だった。君にはまだ長い現役生活が待っている。そのなかでグランドスラムを制覇する時がくるだろう」と挑戦者の健闘を称えた。

【男子シングルス決勝戦】
N・ジョコビッチ[2](セルビア)6-4 4-6 2-6 6-3 6-4 D・ティーム(オーストリア)

構成●スマッシュ編集部

【PHOTO】全豪OPで躍動するフェデラー、ジョコビッチ、ハレプらトップ選手たちの美しいフォーム集!