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海外テニス

「一片の悔いもない」元1位のウォズニアッキが思い出深い全豪オープンでキャリアに幕。会場に響いた『スイート・キャロライン』

内田暁

2020.01.26

いつも笑顔のウォズニアッキはチームに見守られて涙でテニスコートを後にした。(C)Getty Images

いつも笑顔のウォズニアッキはチームに見守られて涙でテニスコートを後にした。(C)Getty Images

 彼女のコート上での笑顔は、このメロディと分かちがたく結びついている。  『スイート・キャロライン』――。1969年にリリースされたヒットソングは、キャロライン・ウォズニアッキが勝つたびに、幾度も...
 彼女のコート上での笑顔は、このメロディと分かちがたく結びついている。 

『スイート・キャロライン』――。1969年にリリースされたヒットソングは、キャロライン・ウォズニアッキが勝つたびに、幾度も幾度も、テニスコートで流れてきた。

 2度準優勝したニューヨークでも、最も活躍した大会の1つであるインディアンウェルズでも……。その全ての『スイート・キャロライン』に、それぞれの異なる思い出があると彼女は言う。わけても最も“スイート”なそれは、2年前のメルボルン。悲願のグランドスラム優勝を果たした時に、ロッドレーバーアリーナで耳にしたものだ。

 思い返せば、彼女が世界のテニスシーンの表舞台に躍り出たのも、オーストラリアン・オープンだった。2008年に17歳にして、4回戦に勝ち進んだ時のこと。柔らかな金髪を揺らし顔中に笑みを広げるデンマークの少女は、一躍、テニス界のヒロイン候補と目される。以降もツアー優勝、トップ10入り、さらに2010年には世界1位にも上り詰め、そんな彼女の活躍には、常に「デンマーク人選手初」の言葉が添えられた。
 
 だがその頃から、彼女の顔からはトレードマークの笑みが徐々に消え始める。“デンマークの壁”と呼ばれた守備が強固さを増すにつれ、外界に対する彼女のガードも固くなっていくようだった。

 会見で、冗談のつもりで言った「カンガルーに引っ掻かれた」の一言が、思わぬ騒動に発展したこともある。プロゴルファーのロリー・マキロイとの微笑ましい交際が挙式直前の婚約破棄に終わり、その失意の中でもコートに立ち続けた。デンマークの記者によれば、彼女は国内では何年も「最も人気のあるアスリート」であり続け、一挙手一投足は常に人々の関心を集めたという。
 
 そのように、メディアとの距離感は月日の経過と共に変遷したが、ロッカールームでの彼女は変わらず、社交的な女の子として知られていた。セレナ・ウィリアムズとの友情は特に有名だが、年齢の近いビクトリア・アザレンカやラドワンスカ姉妹、同じポーランドにルーツを持つアンジェリーク・ケルバーらとも、公私に渡り友好を育む。大坂なおみも、「最初に私に携帯番号を教えてくれて、練習に誘ってくれたトッププレーヤーが彼女だった」と、まだツアーを転戦し始めた頃を回想した。
 

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