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白石光が相手に攻撃されないフォアハンドを伝授! 深く打つにはボールを面に長く乗せる感覚が大事【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.05.21

左手を中に入れ(2コマ目)、身体のひねり戻しを引き出す。そしてボールを長く面に乗せる感覚を持つのが(6~7)、フォアを深く打つためのコツだと白石光プロは言う。写真:THE DIGEST写真部

左手を中に入れ(2コマ目)、身体のひねり戻しを引き出す。そしてボールを長く面に乗せる感覚を持つのが(6~7)、フォアを深く打つためのコツだと白石光プロは言う。写真:THE DIGEST写真部

 プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は早稲田大学を卒業してプロ3年目、頭脳的なゲームメイクでITFツアー5勝を挙げている白石光選手が登場。相手に攻撃されないフォアハンドのポイントを教えてくれた。

  *  *  *

 僕はそれほどエースを狙いにいくわけではなく、基本的にはじわじわと相手の嫌なことをして追い込んでいくプレースタイルです。フォアハンドは相手の時間を奪ったり、揺さぶる意図を持ったショットですね。バックよりもフォアの方が、ショートクロスだとかスピンロブ、スライスやアプローチなど、多彩に打っていけます。

 試合中は頭をフル回転させて、同じ球種を使わないのがモットーです。この写真のフォアは、相手に攻撃されないことを最優先に考えて、深く打ったショットですね。この位置から僕は攻撃しないので、相手が叩けない所に、球の高さや回転量をコントロールして返しているはずです。僕の球質は意外とフラット気味で、回転数を増やすというよりは軌道を上げて深く打ち、相手が下がればよりいいかなと考えます。

 フォアで技術的に意識しているのは、まず構えで左手をちゃんと中に入れることです(写真2コマ目)。左手が甘いと、身体が開いてボールがブレたり、体重がうまく伝わりません。調子が悪い時は結構開いてしまいますが、写真ではこの段階でもまだラケットを持っているように見えるほど、左手を身体の前に出せていて、自分でもよくできていると思います。こうすると構えで身体をひねり、それを回して打てるし(3~6コマ目)、コースを隠すことにもつながります。打つ前の姿勢は本当に大切です。
 
 スイングでは、インパクトしてすぐにラケットを返さないようにしています(7コマ目)。僕はボールを面に長く乗せる感覚をすごく大事にしていて、すぐこするのではなく、ボールが向こうに飛ぶまでしっかり運ぶようなイメージを持っています。スイングスピードを速くするより、接触時間を長くする意識で、前に振る。速くスイングしようと思うと打点がバラバラになりやすく、僕のプレースタイルには合いませんから。

 あとは、打つ時に左足が先に逃げないようにするのもポイントです。ここではセミオープンで左足を斜め前に置いていますが、これが早く外に流れると、クロス狙いでサイドアウトが増えたり、ストレートに打つ時は中に甘く入ったりします。6コマ目を見ると、左足を残そうと、我慢して踏ん張っているのがわかるでしょう。フォアはやはり下半身が大事です。ボールとの距離感をしっかり保てば、足が逃げないようになります。

【プロフィール】白石光/しらいしひかる
2000年5月22日、東京都生まれ。170cm、62kg、右利き。高校総体3冠を取って早大に進み、インカレ王者に。プロ転向後、23年全日本選手権で準優勝。ITFツアーではこれまでに5勝を挙げている。頭脳的な配球と粘り強い守備からの多彩な反撃が武器。日本ランク最高10位。SBCメディカルグループ所属。

構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2023年12月号より再編集

【連続写真】深くコントロールした白石光のフォアハンド『30コマの超分解写真』

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