専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
レッスン

大ブレーク中の伊藤あおいが代名詞のフォアスラを伝授! 面を切らずに押し込むのが伸びを生む鍵【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.03.29

左足を踏み込んで体重を乗せる(3~4コマ目)。そして面を切らずにしっかりボールに当て、前に押し込むのが(5~7)、伊藤あおい選手が意識している“伸びるフォアスラ”のポイントだ。写真:THE DIGEST写真部

左足を踏み込んで体重を乗せる(3~4コマ目)。そして面を切らずにしっかりボールに当て、前に押し込むのが(5~7)、伊藤あおい選手が意識している“伸びるフォアスラ”のポイントだ。写真:THE DIGEST写真部

 プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は変幻自在のショットで大ブレーク中、世界ランク106位までジャンプアップしている伊藤あおい選手が登場! まずは彼女の代名詞であるフォアハンドスライスについて教えてもらった。

  *  *  *

 フォアハンドのスライスは、ラリーのペースを変えたり、あとは攻めの手段として使います。だから球質にも何種類かあって、追い込まれた時の守備的なスライスと、自分から前に入りながら打つスライスと、緩く落とすドロップショットと、打ち分けられるように心掛けています。

 この写真はフォアに回り込んでおり、たぶん攻めのスライスですね。相手が予測していない時や、ラリーのペースが一定になった時に入れて、相手を追い込むショットです。低く滑るようなボールで、チャンスがあればそのまま前に行ってボレーにつなげたりもします。

 私の場合、フォアはスライスだけでなく色々混ぜます。他の選手たちに比べて腕の力が弱く、普通のフォアのストロークがあまりスピードが出ないので、相手にフォアで押されないようにループボールとかスライスとかショートクロスとかを打っていたら、いつの間にかそれが武器になった感じです。
 
 フォアのスライスで技術的に意識しているのは、面の入れ方です。基本的に私はグリップが厚めなので、スライスであっても“叩くように”打つのが特徴です。面を薄く切るのではなく、しっかり当てて押し込む感じで(写真5~7コマ目)、スピードも結構出すようにしています。

 足を前に踏み込みながら打つのもポイントですね(3~4コマ目)。ボレーのようなイメージで体重を前に乗せていき、厚く当ててそのまま押すと、伸びるスライスになります。

 私は普段から相当グリップが厚く、スライスでは薄く握り替えますが(2コマ目)、それでもかなり厚めです。多少切りながらも押しを意識すると、それが生きるのか結構スピードが出ます。

【プロフィール】伊藤あおい/いとうあおい
2004年5月21日、愛知県生まれ。167cm、右利き。19年全国中学優勝、21年高校総体準優勝の実績を残し、22年プロ転向。フォアのスライスやドロップショットなど、緩急をつけた奇想天外な組み立てを得意にする。昨年のジャパンオープンで4強入りし、今年はWTA1000で2大会続けて本戦入りするなどツアーの常連に成長! 現在世界ランク106位、国内2位。SBCメディカルグループ所属。

構成●スマッシュ編集部
取材協力●JWT50
※『スマッシュ』2023年10月号より再編集

【連続写真】伸びて滑る伊藤あおいのフォアハンドスライス『30コマの超分解写真』

【関連記事】体重を乗せ、打点を高く取り、最後まで振り切る! 佐藤南帆が考える両手バックの強打の3カ条【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>

【関連記事】フラットに当ててから下に抜くとボールが滑る! 相川真侑花が教えるバックハンドスライスのコツ【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号