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男子テニス「木下グループジャパンオープン」の大会球がヨネックスに決定!これによりアジアスイング連続3大会が同一球開催に<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.05.22

左から22日の発表会に登壇したジャパンオープンTDの甘露寺重房氏、ヨネックスのアリサ・ヨネヤマ社長、ジャパンオープン・アシスタントTDの辻野隆三氏。写真:スマッシュ編集部

 日本国内で開催される男子プロテニストーナメントの最高峰「木下グループジャパンオープンテニスチャンピオンシップス2025」(9月24日~30日/東京・有明/ハードコート/ATP500)では、今年からヨネックスの『TOUR PLATINUM(ツアープラチナム)』がオフィシャル大会球として採用されることが決定した。

 22日に都内で行なわれたオフィシャル大会球決定発表会には、ヨネックス株式会社代表取締役社長のアリサ・ヨネヤマ氏のほか、木下グループジャパンオープン2025のトーナメントディレクター甘露寺重房氏、同大会アシスタントトーナメントディレクターの辻野隆三氏が出席。会見では『TOUR PLATINUM』の特性や大会に採用された経緯、また『TOUR PLATINUM』がもたらす影響などが語られた。

 現在多くのツアープロを悩ませている問題の一つに「大会ごとに特性が変わる使用球」がある。そこでATP(男子プロテニス協会)では、選手に対してより一貫性のあるプレーの提供を視野に各大会の使用球の標準化を模索。ヨネックスとは2025年から28年にかけて「成都オープン」(9月17日~23日/中国/ハード/ATP250)、「木下グループジャパンオープン」、「ロレックス上海マスターズ」(10月1日~12日/中国/ハード/ATP1000)の連続するアジアスイング3大会で『TOUR PLATINUM』を採用することにした。

 甘露寺氏は「今年のアジアスイングでは5大会が開催され、そのフィナーレが上海マスターズとなります。そこを目指す上で大会ごとにボールの特性が変わると選手のパフォーマンスに影響を及ぼすことが考えられます。(TOUR PLATINUMが)連続する3大会で採用されることは、そうしたリスクを少しでも軽減するための、ATPによる前向きな変化だと認識しています」と語る。
 
 また、自身も世界ツアーを転戦して世界中にネットワークを有する辻野氏は「以前から多くの選手が大会毎にボールが変わることに苦言を呈してきました。そのため使用球が統一化されるのは選手にとってパフォーマンスの向上のほか、ケガのリスク軽減にもつながると思います」と歓迎する。

 今回採用となった『TOUR PLATINUM』は、国際テニス連盟と日本テニス協会の公認球であり、打球感は多少軽めで、球持ちが短く、比較的飛ばしやすいのが特徴。製造はタイにあるヨネックスの自社工場で製造される。甘露寺氏は「様々なメーカーがありますが、そうした中で日本のヨネックスのボールが採用され、それがアジアスイングで使用されるのは喜ばしいことだと思います」と言う。

 今年の「木下グループジャパンオープン」には、スペインの若獅子カルロス・アルカラス(世界ランキング2位/22歳)も参戦を表明している。その注目株も今年2月のロッテルダム大会で「ほぼ毎週、異なるボール、異なるコンディションでプレーするのは大変だ」と漏らし、「何かを変える必要があるし、きっと変えてくれるだろう」と語っていた。そのことを考えれば、今年のアジアスイングの3大会(計26日間)連続で『TOUR PLATINUM』が使用されるのは。多くの選手にとって朗報とも言えるだろう。

取材・文●小松崎弘(スマッシュ編集部)

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