男子テニス元世界ランキング１位のノバク・ジョコビッチ（セルビア／現６位）が、現在開催中のツアー大会「ゴネ・ジュネーブ・オープン」（５月18日～24日／スイス・ジュネーブ／ATP250）で待ちに待った今季のクレーコートシーズン初勝利を挙げた。

　クレーシーズンのジョコビッチは、「モンテカルロ・マスターズ」（ATP1000）と「マドリード・オープン」（ATP1000）のマスターズ２大会で初戦敗退。続く「イタリア国際」（ATP1000）は出場を見送るなど、苦闘が続いていた。

　先日には盟友のアンディ・マリー氏（イギリス／元１位）とのコーチ契約も解消したジョコビッチ。間もなく開幕する四大大会「全仏オープン」（５月25日～６月８日）の前哨戦である今回のジュネーブ・オープンには本戦ワイルドカード（主催者推薦）で参戦しており、初戦となった現地21日の２回戦では過去５勝０敗と相性の良いマートン・フチョビッチ（ハンガリー／元31位／現134位）と対戦した。

　38歳になる誕生日前日に行なわれたこの試合、持ち前の正確なグラウンドストロークで相手を圧倒したジョコビッチは6-2、6-3で快勝し、１時間15分でベスト８へ進出。第１、２セットで計３度のブレークを奪い、自身のサービスゲームでは１度もブレークポイントを与えない完璧なプレーを披露した。勝利後のインタビューでジョコビッチはプレー内容を振り返りつつ、次のように喜びを口にした。
  「今季初めてのクレーでの勝利だ。ある意味、壁を打ち破ることができてうれしい。クレーは非常にタフなサーフェス。周知の通り、他のサーフェスとは違って、常に１球多く返ってくるという覚悟が必要だ」

「ここジュネーブは標高が高いから、サービスが良いと助けになる。今日はサービスが一番の武器になったと思う。ファーストサービスの確率が高く、ピンチの場面ではフリーポイントも多く取れた。そういう意味でも楽にプレーできたし、大事な場面でいいテニスができてうれしい。全体的に集中できていたし、プレーレベルにも満足している。明日以降もこの調子を維持したい」

　節目のツアー100タイトルに向けて好スタートを切ったジョコビッチ。次なる２回戦では、先述のマドリード・オープンで敗れた一回り以上年下の24歳マテオ・アルナルディ（イタリア／現39位）とのリベンジマッチを迎える。前回の敗戦を糧に、再起を期すレジェンドがどんなプレーを見せてくれるのか注目だ。

文●中村光佑

【動画】ジョコビッチがフチョビッチを破り今季クレー初勝利を挙げた「ジュネーブOP」２回戦ハイライト

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