いよいよ佳境を迎えているテニス四大大会「全仏オープン」。女子シングルスにワイルドカード(主催者推薦/WC)で出場している世界ランキング361位のロイス・ボワソン(フランス)の快進撃が止まらない。
昨年5月に左ヒザの前十字靭帯を断裂し、今年2月に復帰した22歳のボワソンは今大会が四大大会本戦初出場。1回戦でエリーズ・メルテンス(ベルギー/元12位/現24位)を破ると、2回戦でアンヘリナ・カリニナ(ウクライナ/同113位)、3回戦で同胞のエルサ・ジャケモ(フランス/同138位)に勝利。4回戦では世界3位のジェシカ・ペグラ(アメリカ)から3-6、6-4、6-4で大金星を挙げ、ベスト8進出を決めていた。
現地6月4日に行なわれた準々決勝で対戦したのは、昨年の全仏で初の四大大会ベスト4入りを経験し、今年3月にトップ10入りを達成した弱冠18歳のミラ・アンドレーワ(ロシア/現6位)。試合の序盤はボワソンがアンドレーワの安定感のあるストロークにミスを誘われ、第3ゲームで先にブレークされる苦しい展開となる。第6ゲームでブレークバックを果たすも、直後の第7ゲームで再びサービスダウン。4-5とされ、第10ゲームではアンドレーワがサービング・フォー・ザ・セットを迎えた。
それでもここからボワソンが地元ファンの大声援を背に驚異の粘りを見せる。強力な回り込みフォアハンドを起点にポイントを重ね、起死回生のブレークバックに成功。その後3本のセットポイントを逃すもタイブレークに持ち込み、7-6(6)で制して第1セットを先取した。
続く第2セットも0-3とリードを許したボワソンだったが、完全アウェーの状況下かつ流れをつかみきれない苛立ちから観客席にボールを打ち込むなど平常心を保てなかったアンドレーワに対して冷静なプレーを続け、一気に形勢逆転。第4ゲームからは怒涛の6ゲーム連取に成功し、2時間8分の熱戦をものにした。
全仏女子シングルスにおける自国選手の4強入りは、2011年のマリオン・バルトリ(元7位)以来実に14年ぶり。WC選手では大会史上初の快挙だ。
2戦連続でトップ10選手を撃破した22歳は「自分が誇らしい」と喜びつつ、すでに気を引き締めている。目前に迫る最大の“夢”を叶えるまでは立ち止まるわけにはいかないと並々ならぬ意欲を示した。
「この結果が奇跡だとは思っていない。少し運が良かったのも事実だけど、これまでの努力の結果が出ている。テニスを始めてからずっと努力してきたし、昨年のリハビリやそれに伴う困難も克服した。その全てに対するご褒美のようなものね。
テニスをする子どもたちは皆、四大大会優勝を夢見るものだけど、フランス人選手にとっては全仏優勝が最大の夢。その夢を叶えたい。私の夢は準決勝進出ではなく、ここで優勝すること。だから次戦もベストを尽くすわ」
日本時間5日深夜以降に予定されている準決勝では第2シードで世界2位のココ・ガウフ(アメリカ)と対戦するボワソン。次戦も厳しい相手だが、決勝進出へ奮闘を期待したい。
文●中村光佑
【動画】世界361位のボワソンがアンドレーワを破った全仏オープン準々決勝ハイライト
【画像】ボワソン、アンドレーワはじめ、2025全仏オープンを戦う女子トップ選手たちの厳選フォト
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昨年5月に左ヒザの前十字靭帯を断裂し、今年2月に復帰した22歳のボワソンは今大会が四大大会本戦初出場。1回戦でエリーズ・メルテンス(ベルギー/元12位/現24位)を破ると、2回戦でアンヘリナ・カリニナ(ウクライナ/同113位)、3回戦で同胞のエルサ・ジャケモ(フランス/同138位)に勝利。4回戦では世界3位のジェシカ・ペグラ(アメリカ)から3-6、6-4、6-4で大金星を挙げ、ベスト8進出を決めていた。
現地6月4日に行なわれた準々決勝で対戦したのは、昨年の全仏で初の四大大会ベスト4入りを経験し、今年3月にトップ10入りを達成した弱冠18歳のミラ・アンドレーワ(ロシア/現6位)。試合の序盤はボワソンがアンドレーワの安定感のあるストロークにミスを誘われ、第3ゲームで先にブレークされる苦しい展開となる。第6ゲームでブレークバックを果たすも、直後の第7ゲームで再びサービスダウン。4-5とされ、第10ゲームではアンドレーワがサービング・フォー・ザ・セットを迎えた。
それでもここからボワソンが地元ファンの大声援を背に驚異の粘りを見せる。強力な回り込みフォアハンドを起点にポイントを重ね、起死回生のブレークバックに成功。その後3本のセットポイントを逃すもタイブレークに持ち込み、7-6(6)で制して第1セットを先取した。
続く第2セットも0-3とリードを許したボワソンだったが、完全アウェーの状況下かつ流れをつかみきれない苛立ちから観客席にボールを打ち込むなど平常心を保てなかったアンドレーワに対して冷静なプレーを続け、一気に形勢逆転。第4ゲームからは怒涛の6ゲーム連取に成功し、2時間8分の熱戦をものにした。
全仏女子シングルスにおける自国選手の4強入りは、2011年のマリオン・バルトリ(元7位)以来実に14年ぶり。WC選手では大会史上初の快挙だ。
2戦連続でトップ10選手を撃破した22歳は「自分が誇らしい」と喜びつつ、すでに気を引き締めている。目前に迫る最大の“夢”を叶えるまでは立ち止まるわけにはいかないと並々ならぬ意欲を示した。
「この結果が奇跡だとは思っていない。少し運が良かったのも事実だけど、これまでの努力の結果が出ている。テニスを始めてからずっと努力してきたし、昨年のリハビリやそれに伴う困難も克服した。その全てに対するご褒美のようなものね。
テニスをする子どもたちは皆、四大大会優勝を夢見るものだけど、フランス人選手にとっては全仏優勝が最大の夢。その夢を叶えたい。私の夢は準決勝進出ではなく、ここで優勝すること。だから次戦もベストを尽くすわ」
日本時間5日深夜以降に予定されている準決勝では第2シードで世界2位のココ・ガウフ(アメリカ)と対戦するボワソン。次戦も厳しい相手だが、決勝進出へ奮闘を期待したい。
文●中村光佑
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