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海外テニス

テニス界の重鎮たちも舌を巻く王者シナーの強さ! マッケンローは出場停止中に「再構築する時間が持てた」と分析<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.06.04

全仏オープンで快進撃を続けるシナー(右)。マッケンロー(左上)やビランデル(左下)らテニス界の重鎮も賞賛を惜しまない。(C)Getty Images

全仏オープンで快進撃を続けるシナー(右)。マッケンロー(左上)やビランデル(左下)らテニス界の重鎮も賞賛を惜しまない。(C)Getty Images

 四大大会「全仏オープン」でのヤニック・シナー(イタリア/世界ランク1位)の無双ぶりに、テニス界のレジェンドたちも驚嘆している。シナーは4回戦で第17シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア/同15位)を6-1、6-3、6-4で一蹴して8強入り。ここまで4試合連続のストレート勝ちで、グランドスラム(四大大会)での連勝を「18」にまで伸ばした。

 スポーツチャンネル『TNT Sports』で率直な見解を述べたのは、グランドスラム優勝7回を誇るジョン・マッケンロー氏(アメリカ)だ。

「彼の出場停止処分は、敢えて言えば“災い転じて福となす”だね。色々あったが最終的には3カ月の出場停止を受け入れた。2つ目のメジャータイトルを手にした後、いったん全てから距離を取って再構築する時間が持てたのは、良い方向に作用したと思う」

 既報の通り、昨年3月のドーピング検査でシナーの検体から禁止薬物「クロステボル」の陽性反応が出た。検出された成分が外部からの汚染によるものであったことが考慮され、最終的には3カ月間(今年2月9日~5月4日)の出場停止処分が科された。

「プレーできないのは彼にとって本当につらいことなのはわかっている。でも実際のところ、彼はそんなに多くの大会に出る必要があっただろうか? 僕はそうは思わない。オーストラリアの後には、彼には休養が必要だった。だから多分2~4大会くらいには出ていたかもしれないが、結果的にはローマで復帰して決勝まで進み、今は本当に素晴らしいプレーをしている」
 
 処分により、シナーはドーハ、インディアンウェルズ、マイアミ、モンテカルロ、マドリードといった主要大会を欠場。西岡良仁も問題提起していたツアーの過密日程から、強制的に離脱を余儀なくされた。

 4つのマスターズ大会でゼロポイントが付く一方、十分な休養とリセットの時間が生じたわけだ。専属フィジカルトレーナーが「これだけ長い期間があれば、改善したい点に十分取り組むことができる」と語っていた通り、シナーのチームはこの時間を有意義に過ごしたようだ。

 他方で、グランドスラムでの連勝記録「18」(歴代9位タイ)でシナーに並ばれたマッツ・ビランデル氏(スウェーデン)も、彼のプレーに舌を巻いた。

「彼は信じられないほど素晴らしいよ。とにかくボールがどこに来ても待たずに叩く。特にバックハンドでは、できる限り早いタイミングで打ち返してくる。こんなにもベースラインから積極的に仕掛けてくる選手は見たことがないし、ネットにも出てこようとしている」

 そんなシナーの次なる相手は、ノーシードながら快進撃を見せるアレクサンダー・バブリク(カザフスタン/同62位)だ。リセットした世界王者は、全米、全豪に続く3連続メジャー制覇に向け、さらにギアを上げていくことだろう。

構成●スマッシュ編集部

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