プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は早稲田大学を卒業してプロ3年目、頭脳的なゲームメイクでITFツアー5勝を挙げている白石光選手の最終回だ。フラットサービスを正確に打つポイントを教えてくれた。
* * *
僕は体格的に他の選手に比べてサービスのスピードは出づらいので、フラットサービスでもコースを狙って相手を揺さぶるのが基本的な考え方です。
ただ、以前よりはスピードも速くなっており、特にセンターへのサービスは自信を持って打てているので、武器として勝負どころで使ったりもします。それがエースになればベストですが、ならなくても自分が有利に立てるようにコントロールできていますね。
技術的に大事にしているのはトスの位置です。後ろに行きすぎず、コンスタントに自分の斜め前45度ぐらいに上げるのが目安。高すぎず、低すぎず、ずっとそこにトスできていれば、いい打点で打ち続けることができます。緊張した場面でも同じ位置にトスを上げるように意識しているし、実際それはできていると思います。
トスは手元だけでポンと投げずに、肩を使ってボールを最後まで運ぶように上げるのが、安定させるコツです(写真2コマ目)。そして振り出す直前まで左手を上に伸ばし、長く保っておく(4コマ目)。それによって身体のバランスが良くなって、開きを抑えることにもつながります。
左手の落ちが早くなると、身体が倒れたり、開いたりするので要注意です。左手の上げとキープさえできれば、あとはスイングで思い切り身体を解放するだけなので(7コマ目)、流れで持って行けます。
そして最後に、なるべく高い所でヒットすること(8コマ目)。トスが落ちてきた所で打つと、ラケット面が開いて抑えが利きません。
特に自分は身長がないので、高い所で打った方が得ですし、腕を振っていって一番高くなる所で、ラケットヘッドを回してボールを捉えるように意識しています。できるだけ上から打ち下ろした方が威力が出て、確率も高くなりますから。そこで打てるようにトスを合わせることが大事です。
【プロフィール】白石光/しらいしひかる
2000年5月22日、東京都生まれ。170cm、62kg、右利き。高校総体3冠を取って早大に進み、インカレ王者に。プロ転向後、23年全日本選手権で準優勝。ITFツアーではこれまでに5勝を挙げている。頭脳的な配球と粘り強い守備からの多彩な反撃が武器。日本ランク最高10位。SBCメディカルグループ所属。
構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2024年1月号より再編集
【連続写真】白石光のコントロール重視のフラットサービス『30コマの超分解写真』
【関連記事】跳ねるサービスは間合いを詰めてジャックナイフリターン! 白石光が意識するのは早い準備と軸のキープ【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>
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技術的に大事にしているのはトスの位置です。後ろに行きすぎず、コンスタントに自分の斜め前45度ぐらいに上げるのが目安。高すぎず、低すぎず、ずっとそこにトスできていれば、いい打点で打ち続けることができます。緊張した場面でも同じ位置にトスを上げるように意識しているし、実際それはできていると思います。
トスは手元だけでポンと投げずに、肩を使ってボールを最後まで運ぶように上げるのが、安定させるコツです(写真2コマ目)。そして振り出す直前まで左手を上に伸ばし、長く保っておく(4コマ目)。それによって身体のバランスが良くなって、開きを抑えることにもつながります。
左手の落ちが早くなると、身体が倒れたり、開いたりするので要注意です。左手の上げとキープさえできれば、あとはスイングで思い切り身体を解放するだけなので(7コマ目)、流れで持って行けます。
そして最後に、なるべく高い所でヒットすること(8コマ目)。トスが落ちてきた所で打つと、ラケット面が開いて抑えが利きません。
特に自分は身長がないので、高い所で打った方が得ですし、腕を振っていって一番高くなる所で、ラケットヘッドを回してボールを捉えるように意識しています。できるだけ上から打ち下ろした方が威力が出て、確率も高くなりますから。そこで打てるようにトスを合わせることが大事です。
【プロフィール】白石光/しらいしひかる
2000年5月22日、東京都生まれ。170cm、62kg、右利き。高校総体3冠を取って早大に進み、インカレ王者に。プロ転向後、23年全日本選手権で準優勝。ITFツアーではこれまでに5勝を挙げている。頭脳的な配球と粘り強い守備からの多彩な反撃が武器。日本ランク最高10位。SBCメディカルグループ所属。
構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2024年1月号より再編集
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