専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

想定外の3連敗。エクアドルが持ち込んだ”覚悟”と”不安”に揺れた日本【男子テニス/デビスカップ予選】

内田暁

2020.03.07

ランキングと勝敗が関係ないことを痛感させられた今回のデ杯予選。敗れた日本は9月に開催される入れ替え戦に回ることになった。(C)GettyImages

ランキングと勝敗が関係ないことを痛感させられた今回のデ杯予選。敗れた日本は9月に開催される入れ替え戦に回ることになった。(C)GettyImages

 初日の2試合目で、多くを背負い込んだ内山を、挑戦者の立場に身を置き遮二無二立ち向かうキロスが大接戦の末に破った時、その勝利がもたらしたのは単なる1ポイントではなかった。

「デビスカップではランキングは関係ない。自分たちにも勝つチャンスとポテンシャルはある」

 おぼろげなその感覚を確信に変え、エクアドルのダブルスペアは2日目の1試合目のコートに立つ。日頃ツアー等でペアを組むことはまずないが、デ杯では過去に幾度か組み、相性が良いことは実証積み。何より2人ともサウスポーであることは、コンビネーション的にも、そして相手を惑わす上でも「大きなアドバンテージ(エスコバル)」だ。

 試合が終わって振り返った時、日本チームが1度もブレークできなかったのは、やはり相手がサウスポーの利点を生かしたことが大きかっただろうか。岩渕キャプテンは、「サウスポー対策はしてきた。勝敗を分けたのは、大切な数ポイントの差」と言うが、同時に「動画を入手し分析はしてきたが、実際に対戦してみるとまた違った点があった」とも認める。第1セットをタイブレークの末に失い、第2セットはブレークされた後の第5ゲームで3度のブレークポイントを逃した時、試合の行方はほぼ決した。
 
 内山がシングルスでトップ100の壁を昨年突破し、ダブルスでもマクラクランというツアー5度の優勝を誇るスペシャリストを得た日本の、層が厚くなり地力が上がったのは間違いない。だが同時に、ツアー戦績が結果に直結しないのがデ杯の怖さでもある。

 デ杯が、“ワールドカップ型”の新フォーマットを採用して、今年が2年目。そのシステムへの対応も含め、仕切り直しの戦いが9月の入れ替え戦から始まる。

文●内田暁

【3月7日の結果】
第3試合=マクラクラン勉/内山靖崇対 6‐7(3)、3‐6 G・エスコバル/D・ヒダルゴ
第4試合=内山靖崇 対 E・ゴメス
第5試合=添田豪 対 R・キロス
※通算成績3勝でエクアドルの勝利が決定したため、第4・5試合はキャンセル

【通算成績】
日本 0-3 エクアドル

【PHOTO】世界で戦う熱き日本人プレーヤーたち!
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号