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海外テニス

届きそうで届かなかったウインブルドン本戦初勝利。島袋将と伊藤あおいが大舞台で得た成長の糧<SMASH>

内田暁

2026.07.02

格上のヤストレムスカを相手に熱戦を演じた伊藤だが、あと一歩及ばず、試合後は悔しさをにじませた。(C)Getty Images

格上のヤストレムスカを相手に熱戦を演じた伊藤だが、あと一歩及ばず、試合後は悔しさをにじませた。(C)Getty Images

 第1セットをリードしながら失う姿は、奇しくも20時間ほど前に、同じ9番コートで敗れた伊藤あおい(世界ランキング228位)の姿とも重なるものだった。

 伊藤は昨年の夏から約7カ月間ケガでツアーを離脱し、今大会にはプロテクトランキングを使っての出場。初戦でダヤナ・ヤストレムスカ(ウクライナ/同66位)と対戦した。26歳のヤストレムスカは、ツアー優勝3度、ウインブルドン本戦は通算5度目で、4回戦進出の実績もある。

 その実力者相手に伊藤は、早々のブレークで先行する。彼女の代名詞であるフォアのスライスだけでなく、高い軌道のボールも織り交ぜ相手を揺さぶる。ゲームカウント5-4リードで、自身のサービスゲームを迎えた。

 だが窮状にいる時ほど、ヤストレムスカは伊藤の球種に関わらず、自らの打点でコーナーぎりぎりに強打を叩き込んでくる。ブレークバックを許し、第1セットの行方はタイブレークにゆだねられる。その1ポイントが行方を分ける展開で、伊藤は2度ダブルフォールトでポイントを献上した。

 第1セットを落とすも第2セットは取り返し、伊藤は第3セットで4度のマッチポイントもつかむ。ただこの頃には、疲労の色は明らかになり、ボールを追いきれない局面も増える。6-7(1)、6-4、 5-7の惜敗。指を掛けたウインブルドン初勝利を、つかみ取るにはいたらなかった。
 
 試合後の会見では、日ごろは敗戦でも淡々としていることの多い伊藤が、「悔しいです」と真っすぐに吐露する。

「ファーストセットで競れたのは良かったけれど、タイブレークまで行くんだったら、取りたかった。長引いちゃったので、ファイナルセットの最後で体力切れしたのが、敗因かなって思います」

 マッチポイントを取れなかったことについても、「相手もマッチポイントに限って、オンラインに打ってきたり。やっぱりそこで実力差はあります」と認める。その「実力差」の中には、大舞台での経験値も含まれるだろう。

「どうせ負けるんだったら、えげつない人と当たって、センターコートで負けたいなと思っていた」

 スタンドのない9番コートでの試合を終え、伊藤が言う。これは“伊藤節”でありながら、本心にしてアスリートの本懐でもあるだろう。大舞台での経験こそが、選手を強くする。そのステージに立つためにも、高いレベルで挑戦を続けていく。

現地取材・文●内田暁

【動画】島袋と伊藤の「ウインブルドン」1回戦ハイライト!

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