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海外テニス

ランキングポイントは? 本当に延期?世界各国で知らせを聞き、帰国したテニス選手たちが抱える不安

内田暁

2020.03.13

中止となったマイアミ・オープン会場のハードロック・スタジアム(写真は2019年)。(C)GettyImages

中止となったマイアミ・オープン会場のハードロック・スタジアム(写真は2019年)。(C)GettyImages

「この事態が落ち着くまで、ツアーをキャンセルするべきだと思います。毎週、世界のどこかで大会は必ずキャンセルされるでしょう。その最中に、他の場所では大会が開催されポイントを貰っている選手がいると、完全にアンフェアになってしまいます」
 多くの選手たちの思いを、ダニエルは代弁した。

 その衝撃のインディアンウェルズ中止の報から、3日後の3月11日(水)。世界保健機関(WHO)が出した「パンデミック」宣言を引き金に、事態は加速度的に動きだす。

 まず米国が、欧州からの入国者を向こう30日間禁ずると発表。それから程なくし、翌週にアリゾナ、そしてメキシコのグアダラハラで開催予定だった男女のチャレンジャーの中止が決まった。

 さらには、マイアミ・デイド郡の郡長が発した「緊急事態宣言」に伴い、強気だったマイアミ・オープンも正式に中止(もしくは延期)を表明する。それに前後し、ATPとITFがいずれも、6週間の全トーナメント・イベントの中断を明らかにした。

 WTAは現時点では、まだボルボ・カー・オープン(アメリカ)やクラロコルサニタス・オープン(コロンビア)など複数のツアー大会中止の発表にとどまっているが、他と足並みを揃えるのは間違いないだろう。
 
 テニス界が激動したこの日、加藤未唯は、メキシコのイラプアトにいた。単複でのランクアップを視野に、4大会連続のスケジュールでメキシコ入りしていた彼女は、モンテレイのツアー大会でダブルス準優勝の好スタートを切る。そして今週は、イラプアト開催のITF$25,000大会に単複で出場していた。

 そのダブルス2回戦を勝利で終えたのが、夜の10時近く。遅い夕食を済ませ、出場予定だったグアダラハラ大会が中止になったため急きょ帰国の便を予約し、ベッドに入った時にはすでに日付が変わっていた。

 そうして翌朝――目を覚ますとほぼ同時に、コーチから「今出ている大会がキャンセルになった」という驚きの報を聞かされる。「そんなことありえるの?」と一瞬耳を疑うも、国際情勢も不安定な最中、一刻も早く帰国するに越したことはない。予約したばかりの便を再び変更し、その日の夕方には飛行機に飛び乗った。

 今現在、多くのテニス選手は母国および練習拠点に戻り、今後に関する情報を待つ日々を過ごしている。

 ランキングポイントの処置についての、公式見解はまだ発表されていない。
「延期」とされたBNPパリバ・オープンは9月以降の開催を検討されているが、全ては未定のままだ。

文・内田暁

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