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【テニスギア講座】初級者からプロ、女性まで。「黄金スペック」のラケットはどうして人気があるの?

松尾高司

2020.08.09

黄金スペックのラケットは、ほとんどのメーカーのラインナップに存在し、トッププロの間でも使用者は多い。写真:THE DIGEST写真部

黄金スペックのラケットは、ほとんどのメーカーのラインナップに存在し、トッププロの間でも使用者は多い。写真:THE DIGEST写真部

 それから約20年間、『ピュアドライブ』は少しずつ進化しながら、いまだに人気モデルであり続け、黄金スペックは他社モデルにも広がっていきます。ただ、この驚くべき汎用性を実現したのは、日本上陸モデルから搭載された「ウーファー」という特殊なグロメットがあってのことでしたが、それはまたの機会に話しましょう。

 この大ヒットを他社が見逃すはずはありません。あっという間に、この3スペックを備えたモデルが市場を賑わせるようになりました。ウーファーを持たない他社は、徐々にそのスペックの範囲内で様々な個性を見出していきます。そうして、それまでは単に「中厚モデル」と呼ばれていたものが、3スペック揃うことで「黄金スペック群」としてグループを形成。それが市場を席巻し、今日ではラケット選びの基準モデルと言ってもいいくらいです。
 
 最近の黄金スペックは、特に競技者における「高速化への順応性」という点で、少し動きが見られます。年々、ラケットは素材や構造進化によってパワーが向上します。進化したカーボンは強度を増し、もはや26ミリ厚がなくても高剛性を築くことが可能となり、一時はフレーム厚だけ26の数値を下回るラケットも多く見られました。しかし今度はその増加パワー分をスピン性能向上へ変換する時代となり、やっぱり26ミリ厚が必要となるのです。

 高速を保ったまま、高いスピン性能によりコート内に収まるようになった進化型「黄金スペック」は、派生モデルを引き連れながら、今後もテニスラケットの中心的存在であり続けるでしょう。

文●松尾高司(KAI project)
※『スマッシュ』2018年7月号より抜粋・再編集

【PHOTO】3/1000秒のインパクトの瞬間、ラケットフェイスはこうなる
 

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