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海外テニス

【レジェンドの素顔1】マッケンローが天才的な修正能力を発揮するも第2セットではあらぬミスが…|中編

立原修造

2020.12.07

ジミー・コナーズはマッケンローとボルグに後塵を拝しており、リベンジにかける思いは強かった。写真:THE DIGEST写真部

ジミー・コナーズはマッケンローとボルグに後塵を拝しており、リベンジにかける思いは強かった。写真:THE DIGEST写真部

 コナーズがマッケンローに負けるときは、いつもサーブ&ボレーにやられている。それがいいときは手がつけられない。なんとかストローク戦に持ちこもうと思っても、その前にポイントは終わっているのだった。

「しかし、今日は違う。ボレーのタイミングが合っていない。つけこむならここだ」

 コナーズは楽になった。ダブルスでよきパートナーを得たような心強さだった。第2セットは5-3とコナーズがリードしていた。狙いがズバリと当たった。次のサービスはコナーズ。ここで、信じられないような凡ミスがマッケンローに2つも出た。ビギナーでもしないようなミスだ。

 ある意味では、この2つのミスが勝収を左右したと言えるかもしれない。この直後、マッケンローはあわれなほど落ちこみ、自らのペースを狂わせていったからだ。
 
 1つ目。最初のポイント。
 フォアハンドの鋭いアプローチでネットに詰めたマッケンローは、コートの外に追い出されたコナーズが苦しまぎれに放ったロブをジャンピング・スマッシュ。

「やられたな」。コナーズはお手上げだった。しかし、ボールは大きくベースラインをアウト。どよめく観客。苦笑いが止まらないのはコナーズだ。

 2つ目。コナーズ30-0からのポイント。
 マッケンローは、バックハンドのアプローチをベースラインぎりぎりに決めてネットダッシュ。絶妙なアプローチにコナーズの腰がくだけた。それでも必死にラケットを出すコナーズ。ボールはフラフラッと上がり、ネットに待ち構えているマッケンローの前にラケットをチョコンと出すだけでエースになりそうな超チャンスボールだった。

 ところが、マッケンローはこのボールをスマッシュでクロスに大きくアウトさせてしまった。「しまった」。信じられないことだった。頭を抱えるマッケンロー。観客たちは、今見たシーンを、もう一度心の中でスローモーションにしながら、「あんなマックを初めて見たよ」と口々にささやき合っていた。

 コナーズはマッケンローの心憎いプレゼントもあって、このセットを6ー3と取り返した。この2つの凡ミスがマッケンローにもたらしたものは大きかった。何にしても理由がわからない……。
(続く)

文●立原修造
※スマッシュ1986年8月号掲載原稿に加筆・修正

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