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国内テニス

テニス選手にとって重要なコーチの存在。穂積絵莉が「私には必要な人」と再契約を結んだ経緯

赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

2020.12.17

18年は全仏ダブルスで準優勝するなど、ダブルスは好調だったが、シングルスは結果が出ず、コーチ変更を決意する。写真:THE DIGEST写真部

18年は全仏ダブルスで準優勝するなど、ダブルスは好調だったが、シングルスは結果が出ず、コーチ変更を決意する。写真:THE DIGEST写真部

 19年序盤の大会はミスを減らして試合に勝つことができた。ただし、「ミスしないだけだと試合が3時間とか長くて」、連日の試合になると体力が持たずに敗れることもあった。しかし、段階的にトライしていることだからと2人の中では納得できていた。

 4月末にヒジを痛めて試合から離れて、夏に復帰。10月の浜松の大会で手応えと優勝という結果を手に入れる。オムニコートだったため、今回は自分から先に打つという戦略を取った。すると、試合時間は1時間や1時間半と短くなり、ミスをしないというベースの上に、攻めるところは攻めるというプレーができたのだ。

 その後、腹筋を痛めたこともあり、ランキングが上昇するには至らなかったが、目指している方向が間違っていないと感じられたことは収穫だった。
 
 この数年を振り返ると、18年のコーチの変更を切っかけにランキングが下がって行ったが、穂積はその時の選択を後悔していない。「今まで言われたことがない新鮮なことを求めていたので、それは良かったと思います。その経験があったからこそ、梅田コーチが必要な人だということも改めてわかりましたから」

 再び一緒に始める時に提案されたプレースタイルの変更を、素直に受け入れられたのも、その経緯があったからだろう。もちろん、コーチを変えて飛躍的に成長する選手もいるので、これが正解というものはない。性格に相性、信頼関係や経験など、様々な要素が絡み合って、うまくいく時もあれば、そうでない時もある。

 ただし、梅田コーチについていこうと決めた、迷いがない今の穂積なら、再びランキングを100位台に戻せるのではないだろうか。

◆穂積絵莉/Eri Hozumi (日本住宅ローン)
1994年2月17日神奈川県生まれ。168センチ、60キロ、右利き。8歳でテニスを始める。12年1月にプロ転向。シングルスでは13年全日本選手権優勝、17年全豪で本戦に出場。キャリアハイは144位(14年11月10日付)。ダブルスではツアー2大会に優勝、リオデジャネイロ五輪出場、18年全仏では二宮真琴と組んで準優勝。キャリアハイは28位(19年5月27日付)

取材・文●赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

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