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海外テニス

ケニン、シフィオンテク、コロナ禍で躍動した若き力。大坂は新世代の旗手となり得るのか? 【2020女子ツアー回顧】

内田暁

2020.12.29

大坂の2021年シーズンの活躍にも期待したい。(C)Getty Images

大坂の2021年シーズンの活躍にも期待したい。(C)Getty Images

 8月に北米と欧州でツアーが再開されたのは、男女ともに同様。だが、ATPは10月から11月にかけ欧州でツアー9大会が行なわれたのに対し、女子のそれはわずかに2つ。昨年から深センに開催地を移したWTAツアー最終戦も、当然にようにキャンセルされた。

 また世界1位のアシュリー・バーティーが、ツアー再開後もひとつの大会に出なかったことも、彩りを欠いた一因となる。オーストラリアは国内の移動規制も厳しく、ブリスベン近郊に住むバーティーは、メルボルンのコーチと会うこともままならなかったという。準備不足のなか、北米や欧州への遠征を彼女が控えたのは、合理的な選択だったろう。

 そのバーティーや大坂なおみも欠場し、幾分物足りなさも漂う全仏オープンで、新鮮な息吹を吹き込んだのがシフィオンテクだ。高い知性と安定のメンタリティで、スケール感と緻密さを兼備するプレーを巧みに制御。成熟と初々しさが入り交じるパーソナリティも相まって、彼女はたちまち、テニスファンに愛される存在となった。
 
 大会ごとに新たな顔が優勝トロフィーを掲げる光景は、未知なる将来への期待感を掻き立てる。

 ただ同時に、「女子テニスは誰が強いのか分からない」「優勝争いに主軸がない」などの、批判めいた声が上がっているのも事実だ。

 それら、女子テニスを牽引する存在を求める機運が高まるなか、昨年のウインブルドンで早期敗退を喫し、「だからこそ、私が強さを示したかったのに……」と涙したのは、大坂なおみだった。

 それから、1年。
 過去3年間で、毎年グランドスラムタイトルを手にしているのは、今年の全米オープンを制した大坂ただ一人である。

文●内田暁

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