第2セットは逆に、第1ゲームを競りながらもキープすると、続くゲームを即ブレーク。サービスゲームの組み立ても巧みで、ゲームカウント3-0とリードを広げた。ただ、次のゲームでブレークの機を逃すと、途端にリズムを失い3-3に追いつかれる。
その後は一進一退の攻防を繰り返しながら、最終的にはタイブレークで第2セットを奪取。そして第3セットの最初のリターンゲームでも、深いボールを左右に打ち分けスコア先行。2度のブレークチャンスを作った。
だが、このゲームを取り逃した時、試合の趨勢は明瞭に決する。以降は、打ち合いを支配しオープンコートを作っても、決めるべきショットがラインを割ったりネットに掛かる、もどかしい時が続く。「あー、もう!」と声を上げ募らせた苛立ちを払拭できず、最終セットは1つのゲームも取れなかった。
初戦で良い手応えを覚えただけに、それが手元からこぼれ落ちた喪失感と落胆は大きい。メドベージェフ戦の翌日に「凄い筋肉痛」に襲われただけに、体力の回復にも不安を覚えているようだ。
しかも全豪オープン初戦の対戦相手は、ストロークの安定感に定評のある、パブロ・カレノブスタ。簡単にもらえるようなポイントは、期待できない好選手だ。
カレノブスタとの過去の対戦を踏まえ、錦織は「なるべく早いタイミングでプレーしたい」との意向を口にする。ただ、シュワルツマン戦では早い展開を心掛けた時ほどミスが増え、その事実が迷いを深める要因ともなった。
ATPカップでの2試合を終え、錦織は「強いて良い点を挙げれば」と前置きした上で、「じっくりやるプレーは良かった」と言っている。しかしじっくり打ち合えば試合時間は長くなり、体力面での負担が増すのは避けられない。
試合当日、目覚めた時に身体は軽いと感じられるか? ボールを打つ感覚は、良いのか否か――。
その時々で移り変わる種々の要素を勘案し、勝機を模索する戦いになりそうだ。
文●内田暁
【PHOTO】錦織圭はじめ日本トップ選手の2020全仏オープンでの厳選ショット集!
その後は一進一退の攻防を繰り返しながら、最終的にはタイブレークで第2セットを奪取。そして第3セットの最初のリターンゲームでも、深いボールを左右に打ち分けスコア先行。2度のブレークチャンスを作った。
だが、このゲームを取り逃した時、試合の趨勢は明瞭に決する。以降は、打ち合いを支配しオープンコートを作っても、決めるべきショットがラインを割ったりネットに掛かる、もどかしい時が続く。「あー、もう!」と声を上げ募らせた苛立ちを払拭できず、最終セットは1つのゲームも取れなかった。
初戦で良い手応えを覚えただけに、それが手元からこぼれ落ちた喪失感と落胆は大きい。メドベージェフ戦の翌日に「凄い筋肉痛」に襲われただけに、体力の回復にも不安を覚えているようだ。
しかも全豪オープン初戦の対戦相手は、ストロークの安定感に定評のある、パブロ・カレノブスタ。簡単にもらえるようなポイントは、期待できない好選手だ。
カレノブスタとの過去の対戦を踏まえ、錦織は「なるべく早いタイミングでプレーしたい」との意向を口にする。ただ、シュワルツマン戦では早い展開を心掛けた時ほどミスが増え、その事実が迷いを深める要因ともなった。
ATPカップでの2試合を終え、錦織は「強いて良い点を挙げれば」と前置きした上で、「じっくりやるプレーは良かった」と言っている。しかしじっくり打ち合えば試合時間は長くなり、体力面での負担が増すのは避けられない。
試合当日、目覚めた時に身体は軽いと感じられるか? ボールを打つ感覚は、良いのか否か――。
その時々で移り変わる種々の要素を勘案し、勝機を模索する戦いになりそうだ。
文●内田暁
【PHOTO】錦織圭はじめ日本トップ選手の2020全仏オープンでの厳選ショット集!