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海外テニス

全豪初戦、錦織圭は難敵カレノブスタとどう戦うか?前哨戦でのプレーから見えてきた選択肢〈SMASH〉

内田暁

2021.02.08

 第2セットは逆に、第1ゲームを競りながらもキープすると、続くゲームを即ブレーク。サービスゲームの組み立ても巧みで、ゲームカウント3-0とリードを広げた。ただ、次のゲームでブレークの機を逃すと、途端にリズムを失い3-3に追いつかれる。

 その後は一進一退の攻防を繰り返しながら、最終的にはタイブレークで第2セットを奪取。そして第3セットの最初のリターンゲームでも、深いボールを左右に打ち分けスコア先行。2度のブレークチャンスを作った。

 だが、このゲームを取り逃した時、試合の趨勢は明瞭に決する。以降は、打ち合いを支配しオープンコートを作っても、決めるべきショットがラインを割ったりネットに掛かる、もどかしい時が続く。「あー、もう!」と声を上げ募らせた苛立ちを払拭できず、最終セットは1つのゲームも取れなかった。
 
 初戦で良い手応えを覚えただけに、それが手元からこぼれ落ちた喪失感と落胆は大きい。メドベージェフ戦の翌日に「凄い筋肉痛」に襲われただけに、体力の回復にも不安を覚えているようだ。

 しかも全豪オープン初戦の対戦相手は、ストロークの安定感に定評のある、パブロ・カレノブスタ。簡単にもらえるようなポイントは、期待できない好選手だ。

 カレノブスタとの過去の対戦を踏まえ、錦織は「なるべく早いタイミングでプレーしたい」との意向を口にする。ただ、シュワルツマン戦では早い展開を心掛けた時ほどミスが増え、その事実が迷いを深める要因ともなった。

 ATPカップでの2試合を終え、錦織は「強いて良い点を挙げれば」と前置きした上で、「じっくりやるプレーは良かった」と言っている。しかしじっくり打ち合えば試合時間は長くなり、体力面での負担が増すのは避けられない。

 試合当日、目覚めた時に身体は軽いと感じられるか? ボールを打つ感覚は、良いのか否か――。

 その時々で移り変わる種々の要素を勘案し、勝機を模索する戦いになりそうだ。

文●内田暁

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