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会社経営を嘱望されつつも、テニスコーチという天職を見つけた、ムラトグルの指導論

内田暁

2019.10.09

日本のジュニアたちの質問にも親身に答える。写真:スマッシュ編集部

日本のジュニアたちの質問にも親身に答える。写真:スマッシュ編集部

 かくして、父の敷いたレールから飛び出しコーチとしてのキャリアを歩み始めたムラトグルは、29歳の時にマルコス・バグダティスと出会い、彼をトップ10プレーヤーに育てあげることで名声を確立した。

 その当時に、若き指導者が抱いたアカデミーの理想像は、今も全くブレていないという。 

「私のテニスアカデミーの理念は、設立当時から一貫して変わっていません。まず、自分がアカデミーを作ろうと思った時、他のテニスアカデミーがどのように運営されているかを、色々と研究しました。すると、当時の世界最大のアカデミーはニック・ボロテリーだったので、どうやら多くのアカデミーがボロテリー方式を参考にしていることがわかったのです。ですがそれは、私のやりたいこととは正反対でした。

 その方法とは、多くの生徒を集め、同じトレーニングを全員に課して、生き残った少数の選手が成功をつかむというものです。でもそれでは、他の選手たちは切り捨てられてしまう。私には、それは正しいと思えなかった。私がやりたかったのは、選手は少なくてもいいので、全ての選手の個性や持ち味を、異なる指導法で伸ばしていくことでした。

 実際に私のアカデミーは20人の選手から始め、そのうち16人がトップ100に入ったのです。これは自分で言うのもなんですが、かつてない実績だと思います。だから今は、みんな私のやり方を参考にしていると思いますよ(笑)」。

 
 ムラトグルが掲げる、この指導者としての理念は、今回都内で行なわれたコーチ向けのセミナーでも随所に見ることができた。そのセミナーで彼が語った興味深い実例の一つに、ジェレミー・シャルディのエピソードがある。

「ジェレミーが私のアカデミーに来た時、彼はバックハンドを強化したいと言っていました。そこでバックを打たせてみると、フォームは完璧! 実にかっこいい。ところが打球はイマイチ。そこで私は彼に、フォームなどは気にせず、ボールのフィーリング(感触)に重点を置いて打つように指導したのです」。

 この「フォームやテクニックではなく、フィーリング」というのは、ムラトグルの考えるテニス論の根幹をなす信条だ。その詳細を、彼は次のように説明する。
 
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テニスとは最終的には、ボールをどこにどう打つかの競技

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