日本語に英語、そしてスペイン語を流ちょうに操つるダニエルは、社交的でウィットにも富み、ともすれば楽天的な印象を周囲に与える。だがその実、彼はテニスに関しては、「ものすごく自分に厳しく我慢づよい」性格だ。
ミスをする自分が許せず、同じ過ちは絶対にしないように戒め、結果として「エクストリーム(極度)にがまんする」メンタリティが培われる。その具現化が、コートの後方に下がり、走りまくり拾いに拾う、かつてのダニエル太郎のテニス。ただそれは本人も、「なんでこんなに苦しいんだろ」と自問自答するほどに、苦痛を伴う闘いだった。
その彼が、ロジャー・フェデラーの指導経験も持つグローネフェルトを参謀に得て、攻めるテニスへと進化しはじめている。ラケットも以前より短く重いものに変え、多彩かつパワー負けしないショットを体得した。
打てるショットが増えれば、その組み合わせであるポイントパターンは、掛け算的に増えていく。28歳を迎えた今、ダニエルは成長の喜びを190センチの長躯で体現していた。
本戦を迎えるにあたりダニエルは、端正な顔に笑みを広げ、「楽しみです!」と声を弾ませる。「天気もだいぶよさそうなので。今やっていることを続ければ、もっとテニスをゲームとして楽しめると思います」
それは、自分に言い聞かせる「楽しみ」ではなく、身体の奥から湧き上がる未研磨の情熱そのままだろう。
2年ぶりに迎える全仏の初戦の相手は、3週間前のセルビアオープン準決勝で敗れた、マテオ・ベレッティーニ。自身の成長を測るには、これ以上ないヤードスティックだ。
取材・文●内田暁
【PHOTO】2019年楽天オープンで躍進した内山、ダニエル太郎のギャラリー!!
ミスをする自分が許せず、同じ過ちは絶対にしないように戒め、結果として「エクストリーム(極度)にがまんする」メンタリティが培われる。その具現化が、コートの後方に下がり、走りまくり拾いに拾う、かつてのダニエル太郎のテニス。ただそれは本人も、「なんでこんなに苦しいんだろ」と自問自答するほどに、苦痛を伴う闘いだった。
その彼が、ロジャー・フェデラーの指導経験も持つグローネフェルトを参謀に得て、攻めるテニスへと進化しはじめている。ラケットも以前より短く重いものに変え、多彩かつパワー負けしないショットを体得した。
打てるショットが増えれば、その組み合わせであるポイントパターンは、掛け算的に増えていく。28歳を迎えた今、ダニエルは成長の喜びを190センチの長躯で体現していた。
本戦を迎えるにあたりダニエルは、端正な顔に笑みを広げ、「楽しみです!」と声を弾ませる。「天気もだいぶよさそうなので。今やっていることを続ければ、もっとテニスをゲームとして楽しめると思います」
それは、自分に言い聞かせる「楽しみ」ではなく、身体の奥から湧き上がる未研磨の情熱そのままだろう。
2年ぶりに迎える全仏の初戦の相手は、3週間前のセルビアオープン準決勝で敗れた、マテオ・ベレッティーニ。自身の成長を測るには、これ以上ないヤードスティックだ。
取材・文●内田暁
【PHOTO】2019年楽天オープンで躍進した内山、ダニエル太郎のギャラリー!!