ドローのボトムハーフに入ったため、錦織のウインブルドンは開幕翌日の火曜日に幕を開ける。対戦相手は、オーストラリアのアレクセイ・ポピリン。その潜在能力を目利きコーチのパトリック・ムラトグルに見出され、チチパスらと共に、専属スタッフによる指導を施されてきたエリートだ。
サービスとフォアハンドを武器とする超攻撃的スタイルは、盟友チチパスとも通ずる新世代のテニス。今年2月に初のATPツアータイトルも手にするなど、この半年ほどで急成長を見せている。
そのポピリンについて錦織は、「彼とは、フレンチで1回練習したんですが、サーブとフォアは強烈ですね。その2つには気を付けて」と警戒する。同時に、「そのぶん、動きとバックは弱いかなと思うので」と、早くも戦い方を思い描けている様子だ。
開幕前に練習したチチパス、そしてハーレ大会で対戦したセバスチャン・コルダも、長身でサービスとフォアが強烈な選手。その意味では、対戦をイメージもしやすいのかもしれない。
今名を挙げた20歳前後の“次世代選手”に象徴されるように、昨今は、若手の台頭および選手の大型化に伴う、テニスの変質が顕著だ。
それは錦織自身も、肌身で感じている潮流。
「パワープレーヤーは増えてますね、確かに。それと同時に、弱点が少ないというか、全体にしっかりしている選手が増えてきていると思います。昔はもっと、明らかにバックが弱いという選手がいたりしたので」
そのような印象を口にした錦織は、「(キャスパー)ルードとか、フェリックス(オジェ-アリアシム)もそうですし」と具体的な選手名にも言及した。ここで錦織が名を挙げたのは、恐らくは最近の活躍などから、とっさに頭に浮かんだ選手に過ぎないだろう。
ただ奇しくもルードは、錦織が初戦を突破した場合、2回戦で当たる可能性の高い選手だ。元世界39位のツアー選手を父に持つルードは、183センチとそこまで大柄ではないが、総合力の高い選手。昨年ツアータイトルをつかみ、今がキャリア最高位(14位)という、まさに脂の乗っている22歳だ。
それら押し寄せる若手の波に、錦織もまた、新たな武器を携え立ち向かう。2年ぶりとなるウインブルドンの瑞々しい芝で展開されるのは、フレッシュな戦いだ。
現地取材・文●内田暁
【PHOTO】錦織圭、2021年シーズンの戦いぶりを厳選写真で特集!
サービスとフォアハンドを武器とする超攻撃的スタイルは、盟友チチパスとも通ずる新世代のテニス。今年2月に初のATPツアータイトルも手にするなど、この半年ほどで急成長を見せている。
そのポピリンについて錦織は、「彼とは、フレンチで1回練習したんですが、サーブとフォアは強烈ですね。その2つには気を付けて」と警戒する。同時に、「そのぶん、動きとバックは弱いかなと思うので」と、早くも戦い方を思い描けている様子だ。
開幕前に練習したチチパス、そしてハーレ大会で対戦したセバスチャン・コルダも、長身でサービスとフォアが強烈な選手。その意味では、対戦をイメージもしやすいのかもしれない。
今名を挙げた20歳前後の“次世代選手”に象徴されるように、昨今は、若手の台頭および選手の大型化に伴う、テニスの変質が顕著だ。
それは錦織自身も、肌身で感じている潮流。
「パワープレーヤーは増えてますね、確かに。それと同時に、弱点が少ないというか、全体にしっかりしている選手が増えてきていると思います。昔はもっと、明らかにバックが弱いという選手がいたりしたので」
そのような印象を口にした錦織は、「(キャスパー)ルードとか、フェリックス(オジェ-アリアシム)もそうですし」と具体的な選手名にも言及した。ここで錦織が名を挙げたのは、恐らくは最近の活躍などから、とっさに頭に浮かんだ選手に過ぎないだろう。
ただ奇しくもルードは、錦織が初戦を突破した場合、2回戦で当たる可能性の高い選手だ。元世界39位のツアー選手を父に持つルードは、183センチとそこまで大柄ではないが、総合力の高い選手。昨年ツアータイトルをつかみ、今がキャリア最高位(14位)という、まさに脂の乗っている22歳だ。
それら押し寄せる若手の波に、錦織もまた、新たな武器を携え立ち向かう。2年ぶりとなるウインブルドンの瑞々しい芝で展開されるのは、フレッシュな戦いだ。
現地取材・文●内田暁
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